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ヤングの干渉実験の明線本数について
ヤングの干渉実験の明線の本数についての質問です。 2つのスリットから出た光の波長が強めあいスクリーンに明線が現れるのは分かるのですが... それならば、明線が数千本現れてもおかしくないと思うのですが 実際には数十本しか現れません。 それは何故なのでしょうか?? 色々調べてみたのですが、中々答えにたどり着きません。よろしくお願いします。
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中央部から離れると照度が下がり、明部と暗部の判別が付かなくなります。 回折した光の強度が全ての方向に対して一様であると仮定し、スリットの幅が無限であると仮定すると、各スリットからでる光の照度はスリットと観測点間の距離に反比例します。 つまり中央から離れてしまうと光の振幅が小さくなり、干渉で強めあったとしても光がかなり弱くなってしまいます。 実際にはスリットの幅が有限ですので、減衰はさらに速くなります。(点光源とみなせるほど遠くなると距離の2乗に反比例するようになる) どうしても中央から離れてしまうと明部と暗部の区別が付かなくなってしまいます。
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- hitokotonusi
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訂正と補足です >F1(s) = 2a sin ax / ax はsの関数なので F1(s) = 2a sin as / as と訂正します。すいません。 で、この関数はs=π/aで0となるので0~π/aを巾とみなすことができます。 一方、 D(s)~e^{isd}+e^{-isd} = 2cos sd ではs=(π/d)nが明線の位置なので明線の間隔Δsはπ/dです。 したがって観察できる明線の数Nは片側でおよそ N ~ (π/a)/(π/d) = d/a です。したがって、片側10本の明線が確認できたとすると、d/a=10で、 スリット間隔がスリット巾の10倍程度と見積もることができます。 まあ、見える、見えないっていうのは環境にも大きく左右されるし、 現実には他の要因も入り込んでくるので、おおざっぱな推定数でしかありませんが。
- hitokotonusi
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少し難しいのですが、干渉の例題として扱うような場合にはスリットの巾を0として扱いますが、現実のスリットは有限の巾を持っています。巾を持ったスリットを扱うには干渉ではなく回折の問題として取り扱う必要があります。 回折の問題として取り扱うと、巾2a(片側a)のスリットの巾を通過した光の振幅Eは、 E(s) ~ sin as / as となります。sはスクリーン中心からの距離に比例する量です。この関数はs=0で極大を持ち、sが大きくなるに従ってsin asで振動しながら振幅が1/sで減衰していきます。 ヤングの実験を現実に行うと、有限巾のスリットを使うことになります。 なので、回折の問題として取り扱う必要があり、その場合のヤングの実験結果は、巾がないとしたときの答に上の関数を掛けたものになります。その結果、周辺の強度は低下していきます。 以下、少し難しすぎるようでしたら、何年か勉強した後に振り返ってください。 もう少し数式を使って説明すると、スリットを通過した光のスクリーン上での振幅分布を求めるというのは(フラウンホーファー)回折の問題であり、スリット関数をフーリエ変換したものがその結果となります。 巾2aのスリットを表す関数f1(x)を f1(x) = 1 (|x|<a), =0 (|x|>a) とするとそのフーリエ変換F1(s)が F1(s) = 2a sin ax / ax で強度分布はその2乗になります。 ヤングの実験の二重スリットの場合はスリット間の距離を2d (>>a)として そのスリット関数f2(x)は f2(x) = 0 (x<-d-a), 1 (-d-a < x < -d+a), 0 (-d+a < x <d-a), 1 (d-a<x<d+a), 0 (d+a<x) ですが、この関数はδ関数を使った関数d(x)を d(x) = δ(x-d) + δ(x+d) と定義するとたたみ込み積分を使って f2(x) = (f1*d)(x) [右辺はf1(x)とd(x)のたたみ込み積分] と書くことができます。たたみ込み積分のフーリエ変換はフーリエ変換の積になるので、d(x)のフーリエ変換をD(s)として、f2(x)のフーリエ変換F2(s)は係数を除き F2(s) ~ F1(s)D(s) になります。 D(s)が巾のないスリットの場合、つまり干渉の例題としてのヤングの実験の答です。これはすぐに計算できて、 D(s)~e^{isd}+e^{-isd} = 2cos sd となり無限に広がります。有限巾のスリットではこれにF1(s)がかかり、この関数の効果で中心から離れるに従って強度は低下していきます。