おはようございます.
私も同じ疑問を,およそ46年も昔の小学生の頃に持ちました.
昆虫は専門でありませんので,
最新の学説は存じませんが,
その古い記憶に基づいて当時学習した記憶をお話しすると,
『完全変態』は,
「虫体が成長段階に最も適した姿に変態するように,不完全変態から進化したもの」と認識しています.
例えば,アゲハチョウは完全変態をしますが,
幼虫の時は,天敵の餌食になる可能性が高く,
早く成虫になり繁殖活動をするためには,
当然,餌を多量に食べる事で可能になり,結果成長が早まります.
すなわち,「食べる事だけに特化した姿」と考えられると言うものです.
つまり,そのために適合したのがあの芋虫スタイルといわれるものです.
ご存知のように,青虫の体は複数の体節で構成されていますが,
その多くの体節部分は,
食べた植物の葉を消化する為の器官が詰まっている腹部です.
そのために芋虫の状態では,いつも食べているように食欲旺盛です.
ところが成長すると今度は,
子孫を残す生殖活動が主体になりますから,
異性を求め移動しやすいように変態で羽ができるのですが,
羽や体に種独特の色分けや紋様を付けることで
雌雄双方が飛翔中の空中や,
休息中に止まる枝先などで異性を容易に探し当たる事が可能になり,
ひいては雌雄が交尾する確率が高くなる.
極端な例ですが,清流に棲むユスリカの一種は,
成虫に変態すると,短時間内の繁殖だけが目的となりますので,
その後の栄養摂取は必要ではなくなり,
結果として,口吻は退化して無くなり・多くの消化器官も退化しているといわれます.
つまり,この方が「時に適った姿であり,生存競争に有利に働く」というものです.
先述していますが重ねて言えば,
蝶などの『完全変態』と,バッタなどの『不完全変態』を,
進化論的な面で比較すると,
「不完全変態の昆虫が先に地上に出現した」と,
進化の面からは考えられているはずです.
もちろんこの記憶に基づく説は,先述したとおりかなり古いものです.
基本的には変わらないでしょうが,
他の回答者のご意見も,私自身もお尋ねしたいものです.
以上ご質問を私の認識で簡単にご説明を試みましたが,
ご質問者さまの知識の一端にお納めくださり,
疑問解決の一助になれば幸いです.
お礼
ご丁寧に解説いただき、ありがとうございます。成長の段階でその時々に適したかたちに変化するということですね。無駄なことに思えてしまったのですが、やはり意味があり、自然界で生き抜くための知恵ということなのですね。
補足
芋虫は、芋虫として存在して芋虫として子孫を残すのでしょうか? 丸虫等はそうだと思いますが・・・。だとすれば、何故アゲハチョウの幼虫は成虫としてチョウとして、アゲハチョウになる必要があるのでしょうか?羽のない他の昆虫(丸虫等)は羽を持たずにパートナーを見つけていると思うのですが・・・