昔々のそのまた昔テチス海という大きな地中海があったげな
その海はな大層浅い海で海のほぼ全体が珊瑚で埋め尽くされていたげな
世界が流されしまうかと思われる大雨が降って大水が出たそうじゃ
山から流れてきた土でテチス海は埋まってしもうてな
おまけにその海があったあたりはずんずん沈んでしもうて深い深い海の底のまだ下に埋もれてしもうた
土に埋まった珊瑚は上からの重みと下からの熱で油になってしまったのじゃ
テチス海のあったところに下では珊瑚の骨とその上に珊瑚が変わって出来た油とが二段重ねになっってのう
そのうちにテチス海の西側が馬の背のように曲がって高こうに持ち上がったげな
珊瑚の骨の辺りには上から海水が入って来たもんじゃで珊瑚の油は馬の背の方に押し上げられてしもうた
馬の背のあたりは今では中近東なって名前が付いちょる
後になって珊瑚の骨に当たりも高く持ち上げられて今では東アジアになったのじゃ
そういうわけで日本台湾韓国に囲まれた地域には珊瑚の骨である石灰岩が多いのだそうです
東欧のカルスト地方もテチス海の珊瑚で構成されているそうです
地層が馬の背のように持ち上がった地形を「背斜地形はいしゃ」溝のように落ち込んだ地形を「向(溝)斜地形こうしゃ」と言います
石油は背斜地形の両側の塩水層の上に溜まっています
石油の上には天然ガスがあります