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乗車券類の発売様式について
いつもお世話になっています。 鉄道を趣味とされる方のサイトをいくつか見ていると、通常お目にかかることのできないような乗車券類を掲載されている方がいます。 駅員の方に趣旨を理解いただいて、発行していただきましたなどと書いてあります。 マルス端末などで発行できるものを、あえて常備券(自動券売機で購入できるようなものではなく)で発行してあります。 JR各社の取扱いとしては利用者の要望があれば制限なく発行をすることになるのでしょうか? 回答お願いします。
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専門的なことを訊いておられるにしては、一部誤解が生じているとも思われる内容ですので、やや長文になることをお許しください。 JRで手作業発券している切符には現状概ね以下のようなものがあります。 1.常備券 有効区間や発売金額が固定されている券で、発売日、有効開始日等を表示するだけで発券できるものです。 硬券が主流だった時代とは違い、今は残っている駅は痕跡程度(しかもマルスなど機械のある駅ではほぼ存在しない)ですが、機械のない駅などでは現役です。 機械や券売機のない駅、あってもその機能に制限がある駅では、よく売れる券は当然常備券が設備されます。 また、今から10年程前くらい前なら、機械で発売できる区間であっても非常によく売れる着駅なら、常備券を設置しておき、機械で売るよりすばやく売ることができる点で重宝されていました。 今もし機械のある区間で「常備券」が存在していれば、後者の理由ですから、収集者が常備券のあることを知って、売ってほしいと伝えればほぼ間違いなく常備券を売ってくれます。 (通常、発券の手間は機械より楽なくらいです。ただし、発売後の売上集計等は機械のほうが楽です。) 2.補充券 いわゆる手書きの切符です。常備券のない区間や機械があっても機械で対応できない区間を発行するために設備されています。着駅などが空欄となっており、規則上発売できる内容ならどんな区間でも対応できます。ただし、片道券なら片道券としてしか発行できないというように切符の種類は限定されています。 この券は運用上は多くの駅では常備券のない区間や機械等で対応できない区間を発行する時だけに対応するようになっていますが、旅客との約束事をまとめた旅客営業規則やその細則等には常備券や機械で発行できる区間の発行を明確に禁じる規定はありません。それどころか、特定の着駅への乗客が多数予想される際に補充券を用いて常備券の代用とする方法等が内規で定められています。 実際問題として現在ほとんどは機械で対応できますので、機械対応ができないような例が少ない駅ではそもそも補充券も設置されていません。(後述の特別補充券のみとなります)従って、補充券を設置しているということは何らかの理由で日常的に手作業発券が継続している可能性があり、収集者が補充券での発行を依頼しても柔軟に対応できる余裕があることになります。(運用上は駅、支社、会社単位等で禁止できるが、明確な規則等の条文では禁止されていない。しかも日常的に発行していれば、誤りなく発行することも可能である) 3.特別補充券 片道乗車券と記載すれば「片道乗車券」に特急券と記載すれば「特急券」になるといったように、どんな事由にでも対応できるオールマイティーな切符です。 その代わり、これしかない駅の場合、これは不測の事態でも対応できるように念のため置いている物であり、通常これを常用することはありません。 旅客営業規則では明言されていませんが、その細則で特別補充券は設備のない常備券や補充券の代用として発行することができる旨明言されています。このため内規や運用でも常備券・補充券・機械等で対応できる用途での発行を明確に禁じている例が多いです。 例外的に発行できることが多い例としては、駅の開業日・窓口廃止の最終日やその駅でイベントや何か特別な記念となる時などで、その駅に関係する責任者が発行を許可した場合に限るようです。(規則や内規で明確に禁止されている場合、内部的には上述した代用発行の規定に準じた発行を認める旨の通達を出す形となっているようです。) 以上のように機械等で買える区間の切符を手作業で発券してもらう場合、その種類によって大きくハードルが違います。 常備券の場合、常備券があるということは常備券を発行しなければならない事情があるので、特に支障なく発行されることが多いです。但し、非常時・異常時用に設備され、そのときしか発行しないと定めている場合は発売を拒否されることもあります。 補充券の場合、運用等では発行不可のことが多いですが、その券を設置している目的に適った区間で依頼した場合は問題なく購入できます。そして、上述のように理解ある係員の場合は、(内規等で問題にならない範囲内なら)発行してくれることがあります。 特別補充券の場合は原則不可能です。趣味用に特別補充券を購入した事例のほとんどは、そもそも機械のない駅か機械があっても機能に制限があり、特定の条件では手作業発券するしかないような駅に限られています。そのような例外状況のない駅では開業日などでも購入ができないことがあります。 なお、乗車券の様式等は規則でも明記されていますが、いまだに実際には存在しない硬券の様式が延々と続き、最後に申し訳程度に機械発行の様式が続いています。個人的には規則の中でもっとも実情と乖離している内容のような気もします。もっともこういう書式を定めるという内容であって常にこういう書式のものを発行するとは言っていませんが… http://railway.jr-central.co.jp/ticket-rule/cjr-regulation/_pdf/000003999.pdf また、乗車券の様式と乗車券の効力には相関はない(どんな様式で発行されてもその区間に対する効力・変更の可否等はまったく同一)であるので、乗客の方から特定の様式を強要することはできず、事業者側もそのような依頼を受け入れる義務はありません。 また、当然のことながら、収集用の切符つまり使わないことが明らかな切符はそもそも発売を拒否することすら可能です。鉄道の場合、昔から趣味用に最低区間を買うなんて事例が多かったのでよほどのことがない限り拒否されません(とはいえ上述のような特定の様式の券を指定された場合は拒否されることもある)が、バスや船などでは(定員制などの事情がなくても)「乗らないのなら売れない」という事例は今でも珍しいことではありません。 そのような状況を知った上で好意で売ってもらったので、多くのブログ等では「駅員の方に趣旨を理解いただいて、発行していただきました」と明言し、明示した券と同じ区間を必ず売ってもらえるとは限らないことを暗に示しているのです。
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- townser
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詳しくは存じませんが。 常備券については、そもそも駅に常備されていなければ発行はできません。補充券については正規券(というのかどうかはしりませんが)が発行できないときに用いるものです。 可能な限り旅客の要望に応えるのもサービスの一つですが、それで他の旅客へのサービスが滞るようであれば拒否も可能でしょう。 ご質問内容にもあるとおり、「駅員の方に趣旨を理解いただいて発行していただきました」ということなので、駅員が柔軟に対応しているという類のものだと思います。 鉄道会社にとって重要なのは輸送契約の中身であって、輸送契約の締結に用いた紙ではありません。マルス券はいやだと旅客が言ったとしても、鉄道会社側としてはマルス券だろうと常備券であろうと契約内容は変わらないので発行の要請に応える義務はないと思います。
お礼
回答ありがとうございます。私の反応が遅く申し訳ございませんでした。 旅客のサービスというものは難しいものですね。 1人の旅客に最高のサービスをできても、他の多くの旅客のサービスが滞ることを考えるとどこまで応えるかの判断は・・・。 大変参考になりました。ありがとうございました。 また機会がありましたら、回答お願いします^^。
お礼
回答ありがとうございました。私の反応が遅くて申し訳ございませんでした。 若干の誤解をもって質問していたようですが、とても丁寧な解説をいただきまして、理解することができたように思います。 また機会がありましたら、回答おねがいします^^。