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動物の可聴域について
イルカやイナゴは自分の聞こえない範囲の音まで出せるそうですが、自分の聞こえない音を出せる意味はあるのでしょうか? http://www.orh.go.jp/oto/unncssry/snd.html
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このご質問では幾つか重要な点があります。(1)内耳で音を聞くことが前提でのお話と思いますが、脊椎動物と言えども内耳のみで音を感じているのではありません。ですから内耳の可聴域を超えた音を感じることが出来ないわけではありません。(2)音をコミュニケーションの手段としての使用ならば聞こえる必要がありますがコミュニケーションの手段としてのみ使用しているわけでもありません。(3)発音器官は特定の周波数のみの音を発するわけではありません。 (1)脊椎動物は内耳でのみ音を聞いているのならば、鼓膜の面積や蝸牛管の長さ等の物理的な制約で可聴域が決まります。しかし、内耳でのみ音を聞いているのではありません。ゾウは低周波音を足裏で感じていることがわかってきましたし、イルカや鯨やカバのグループは下あごでも音を感じています。我々ヒトも可聴域を超えた音域を感じています。ステレオでスパーウーハーやスーパーツィターという超低周波音や高周波音を発するスピーカーを設置した方が音楽の迫力は増します。また、電車や車が発する低周波音がヒトの精神に影響を及ぼすことも知られています。 (2)音をコミュニケーションの手段としての使用ならば聞こえる必要がありますが、イルカ等の歯鯨類は前頭部の丸くふくらんだ部分にメロン器官と呼ばれる発音器官があります。これは超音波を発して、その跳ね返りを顎等で感知して、外部の様子や餌の状態を知るエコロケーションに利用しています。潜水艦のソナーはこの原理を応用しています。これは聞こえなくとも感知はしています。 しかし、超音波を収束したものを魚等に発することで魚等を攻撃することも行っています。海賊船対策や調査捕鯨船の中には同じ原理の機械を積んで攻撃から守っている船もあります。これらは自らがその音を感知する必要はありません。 コウモリはイルカと同じに超音波でレーダーのように外部の状況を感知しているのですが、夜間飛ぶガやユスリカ等の多くの昆虫は、コウモリの発する超音波を感覚毛等で感知して、回避行動を取ったり、妨害超音波を発するものもあります。これも自分で聞こえている必要はありません。 (3)発音器官は必ずしも可聴域のみの音を発するわけではありません。特に昆虫は翅や脚を擦って音を出しますから色々な周波数の音が出ます。バイオリン等の楽器もステレオの際にお話ししましたようにヒトの可聴域より遙かに広い周波数が出ています。
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- keykall
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イナゴについてはわかりませんが、イルカについては低い音を威嚇に使っているみたいです ただ、それが可聴域以下かどうかはわかりませんが、それであれば自分が聞く必要はないでしょう
お礼
凄く詳しい説明ありがとうございます! とても参考になりました。