言えません。「お書いてください」「お読んでください」というようなものです。
「召し上がってくださる」は、「召し上がる+くださる」で、
本動詞「食べる」+補助動詞「くれる」をそれぞれ尊敬語にして、
「召し上がる」+「くださる」として連結したものです。
このような尊敬語の連結では、
書いて+くださる(本動詞をそのまま+補助動詞は尊敬語)
お書きになって+くださる(本動詞も補助動詞も尊敬語)
お書きくださる←「お書きになってくださる」の省略形
という形があります。本動詞は接続助詞「て」で連結します。
「召し上がってくださる」の場合は、本動詞のところに通常の動詞の代わりに、尊敬語の特別形「召し上がる」を置いた形です。
そして、「お召し上がりください」は、動詞「召し上がる」を「お~になる」形で尊敬語化したものです。
(「召し上がる」は尊敬語なので二重敬語なのですが、広く慣用として認められています)
「お~になる」形では動詞は連用形(「書き」「読み」など名詞の形)になります。「召し上がる」なら「召し上がり」です。
このような成り立ちなので、「お召し上がってください」は、「書いてください」にさらに「お」をつけて「お書いてください」としたのと同じです。あるいは、「お書きください」の「お書き」を無理矢理に音便形にして「お書いてください」としたのと同じです。どちらにしても、こういう言い方はしません。
書いてくれ→書いてください→お書きになってください→お書きください
食べてくれ→食べてください(召し上がってください)→お召し上がりになってください→お召し上がりください
書いてくれ→書いてください→お書いてください×
食べてくれ→食べてください(召し上がってください)→お食べてください×(お召し上がってください×)
こういうことです。
お礼
ご説明、ありがとうございます。