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誤用分析お願い
市民の素質(意識)を提高する(高める・向上させる)のも大切なことです。今政府はこの方面(この面)に力を致しています(力を入れています・力を注いでいます)。 これは、「中国人日本語学習者に見られる誤用の研究」という本に載せてある文の一つです。 下線は誤用で、括弧内は訂正です。 しかし、なぜ「素質を提高する・方面・力を致す」はだめかこの本には説明してくれません。 教えていただけますか。 お願いいたします。
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えーと、まず「素質」というのはその人が生まれながらに元から持っている性質や特徴のことで、たとえば絵が上手な子の場合は「君には絵の素質があるね」とか、プロ野球選手になった人には「子供の時から野球の素質があったものね」、とかいう使い方をします。 つまり、素質というのはもともと「ある」もので、「ある」か「ない」か、それだけです。なので、「素質を向上させる」ことは、たぶんできません。 それに対して「意識」というのは、何かに対する態度や関心のことを指しますのでこの場合は意識を使うのがベストだと思います。「意識を高める」「意識向上に力を入れる」というように使って、そのことにもっと関心を持ってもらい知ってもらう、という意味です。反対語は「意識が低い」で、「この界隈の住人はゴミ問題に関する意識が低い」などと使います。 「提高する」ということばは日本語ではほぼ使いません。「提高」という熟語もないと思います。あれっ?と思いましたら中国語で使われる熟語なのですね。向上すると同じような意味でしょうか。 「力を致す」という表現も耳慣れない印象ですが、googleで検索しますと2000件はヒットしますので、まったく使わないわけではないようですね。ただ多くの日本人にとっては、「尽力(じんりょく)」ということばがあるように、力は尽くすものです。致すという動詞と一緒に使うことはあまり考えつかないと思います。たぶん、これは市役所や政府などが書く文章みたいですから、より一般的に使われる表現が求められるのだと思います。 それから蛇足ですが、質問者様の文章の中で「この本には説明してくれません」とありますが、これは、「この本は説明していません」「この本では説明していません」「この本は説明してくれていません」「この本には説明がありません(←これが一番自然に聞こえます)」などがいいと思います。 またわからないことがあれば追加質問してくださいね。
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- kirinoma
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中国語の「素質」はマナー(manners,行儀作法,公共の場でのルールを守ること,またそれらに対する意識)の意味があるようですが,日本語で「素質」というと生まれ持った性質・能力の事を指します. 例:この子は運動の素質がある 「提高」は日本語にはありません.(少なくとも,一般的な言葉ではありません) 「致す」は動詞「する」の待遇表現なので,「力」にはつきません.「力する」とは日本語では言いません. 「努力をします」->「努力を致します」はOKです.
お礼
早速のご回答頂き、ありがとうございます。 参考になりました。 これからもよろしくお願いします。
お礼
大変丁寧なご返事いただき、ありがとうございます。 外国人であるせいか、日本語を勉強するとき母語からの影響は多少受けます。 素質、提高、方面、致力はもともと中国語なので、日本語をしゃべるときこのような誤用をするのも無理ではあるまい。 これからもご指導のほどよろしくお願いします。