- ベストアンサー
微小変位測定
パルスステージの移動のキャリブレーションを行っています.ステージのメーカーカタログ値は10nmまで補償していますが,これを測る方法がなかなかありません.レーザ変位計でも10nmが精一杯でnmおよびサブnmの領域の精度をもつ測定器をご存じでしたらお教え下さい.ピエゾステージにnm精度の物があるようですが実際にはあまり信用にならないようです.宜しくおねがします.
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
どうも。お困りでしょうね! これって、たぶん、多くの超精密計測者共通の悩みだと思います。 ですから、正解は、あまり期待されると困るんですが・・・ とりあえず、ヒントだけでも。 まず、ステージの移動測定を10nmでするという場合には A)全ストロークで、10nmの総合誤差での測定を志向する場合 B)ステップ送りの分解能が、10nm程度である事を測定する場合 の2つがあります。 もし、A)が目標でしたら、一朝一夕には不可能です。 温度、空気の屈折率・気圧、角度誤差、参照物体の複素屈折率、 測定用レーザの波長特性、動作速度による統計誤差、剛体のゆがみ・・・ もう、数え切れないほどの誤差要因が押し寄せてきます。 工業試験場や、一部の民間企業でしか測定は困難ですから、素直に 丸なげしてしまうのが・・・早いやりかたかもしれません。 でないと、まったくはじめから用意すると、数年がかりの仕事に なってしまうかもしれません。 で、とりあえず、私の考えをまとめますと・・・ 【1】概略の、総合誤差が知りたい時 もし、ざっくり 10nmの総合誤差がでているかどうか?知りたいの でしたら、以下の案などいかがでしょうか? 案1-1:比較法 10nmが出ている、ステッパステージなどを借りてきて それを原器とする。 差動計測タイプのレーザ測長装置を、被検ステージと原器ス テージの間にもうけ、それをそれぞれたとえば、1mm 動かしたとき、差が0であることをもって、10nm以下が出て いるとする 案1-2:リミットスイッチ法 10nm以下の再現性がある計測装置を、リミットスイッチとして とりつけて、毎回移動させて、再現性を、いろいろな場所でみる。 たとえばSTMヘッドを所定の位置に、「リミットスイッチ」のように とりつけ、トンネル電流を毎回はかる。ただしオーバーシュートしない事 が前提。 他に考えられるスイッチとしては 光ピックアップ 差動トランス(電気マイクロ) などがあるでしょう。 案1-3:SPM法 ステージを、たとえば、とても大きなSTM装置だと思ってしまう わけです。 適当に研磨した、シリコンをステージ上に置いて、それを固定した STMヘッドで観察するわけです。 STMで見たシリコン表面は、リニアエンコーダのパターンのように 特徴的でしょうから、1nm程度の再現性で、位置をチェックできる ことでしょう。 案1-4 真空ステージならば、横や上から、SEMヘッドで静止位置 再現性を観察することも可能でしょう。。 【2】ステップ分解能計測でよい場合。 また、ステップ分解能10nmが欲しいだけ場合は 10nm分解能の測長装置を作るのがよいかと思います。 案としては 案2-1 ヘテロダイン干渉計のヘテロダイン部を、自作してみる。 たとえばスペアナ型の自己相関回路やPLL回路を作ってみる。 市販品は、測定速度を得るために、分解能をぎせいにしているところ があるんで、自作で、多少よくなる。 たぶん、12bit分解能が得られるので λ/2/4096~0,1nmまでは、なんとかいく。 案2-2 反射ファイバー法 いわゆるフォトニックセンサーを高いゲインで作る方法です。 作りこめば、だいたい数ミクロンの範囲を、1nmくらいの分解能で 計測可能にいくと思います。 案2-3 静電容量を測る いわゆる、静電容量測定式距離センサーを自作して、インピーダンス より距離変化を求めます。10nmは、比較的簡単に得られるでしょう。 ほかにもあるかもしれませんが・・・ とりあえず今考えツクのはこんな所でした・・・
お礼
有り難うございます. とりあえず必要なのは【2】の方です. 2-3の方法は自作ではなく既製品で試したことがあります.nmまで行きませんでした.自作の場合可能性がありますね.2-1は是非やってみたいと思います.2-2は思案中です.現在レーザドップラ装置で実験していますが,ステージの移動速度が速くないため,S/Nが悪く良くわからないという状況です. 【1】も必要ですがこれはすぐには難しいようです.