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自分の戒名をもらうこと=死への準備?
井伊直弼が暗殺の少し前に自分の戒名をもらっていた事実を指して、彼が自分の死を予感していたとする記事がネットや書籍に見られます。ですが戒名をもらうこと自体からそこまではいえないのではないでしょうか?
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戒名は、基本的には生前中にお寺さんで修行(最近だと数日程度?)し、資格のある僧侶(住職)から、仏門の戒律を守る信徒の証として授けられる物ですから、井伊直弼が生前に戒律を貰っていてもおかしくないと思います。 江戸時代ごろから、死後に戒名を授かるのが一般的に成ってきたそうですが、当時なら生前に貰っても特に珍しくありません。 (江戸時代辺りから、たかが数日も纏めて休みを取るのが難しく成ったという事なんでしょうか…。) 戒名で有名どころとしては、以下の人が有名ですね 武田信玄(法性院機山信玄) 上杉謙信(不識院殿真光謙信) 直弼がこの戒名を残したのは1855年との事ですから、死を覚悟するには余りにも早すぎます。 この時点では直弼は、名門譜代大名の1人でしかないですし。(当時の老中首席は阿部正弘) 阿部正弘が急死(1857年)しても、直弼は幕閣に入っていないのですから、国難に対して死を覚悟した人物の行動としては、辻褄が合いません。(大老就任は1858年) 大老就任と安政の大獄を行った1858年に戒名を残していれば、死を覚悟したと言うのもわからなくも無いのですが…。 (1860年に死去)
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- sanjakubo
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寺の住職をしておりますが、葬儀と戒名の歴史についてすべてを網羅している訳ではありません。私の限られた知識と経験の範囲で、回答させていただきます。 井伊直弼に限定して考察した場合、回答1で概ね正しいと思われます。 但し、戒名を受けたから死を覚悟していた、とは一概には言えないと思います。死を覚悟して戒名を受ける場合も現実にありますから、その可能性はあると思います。井伊直弼ほどの人物なら、行状についてかなりの資料が存在すると思います。それらの資料を検討してみるしかないと思います。本に載っている記事だとしても、誰がどのような資料を基にして論じているかよくよく検証してみる必要があると思います。 武将などが戦(いくさ)に出陣する前に、葬儀を行うことが結構ありました。また、お墓を建てる場合もあったそうです。こういう生前に葬儀を行うことを「逆修」と言い、生前に建てたお墓のことを逆修塔と言っています。「逆修」というキイワードで検索してみてください。 生前に戒名を受けることについて回答1に即して言えば、信玄や謙信は生前に戒名を受けていますが、それは出家したからです。僧侶になったから僧侶としての戒名を師匠である住職よりいただいたのです。ですから、この点については、回答1さんの答えは思い違いではないかと思います。 仏教に心から帰依した方が仏弟子となることを願って、生前に戒名を受ける場合もあります。病気等になり、自分の死期を悟って、生前に戒名をもらうことを希望された方もおられます。現実に檀家さんの中で、こういう方もおあられました。