こんにちは。
ブルース・ウィルスは好きな俳優なのであまり言いたくはありませんが、あの映画の科学的な設定はそうとういい加減です。アクション映画だと思って楽しんで下さい。
>地球に小惑星がぶつかるとしちぇ、小惑星に240mの穴を掘るだけで小惑星を粉々にして、地球への衝突を回避できるものなのでしょうか?
核爆弾を埋め込むことができれば可能だと思います。
この際、なるべく中心まで穴を掘って十分な破壊力の爆弾があれば破壊できますが、ミサイルを使って外側からではどんなに威力があってもちょっと無理です。
240mの穴というならばその直径は500mということになりますから、原子爆弾でも破壊はできるんじゃないでしょうか。
>小さい破片がたくさん降り注ぐだけなのでは?と思いました
ある程度の大きさに粉砕すれば衝突時の爆発力は質量の二乗に比例して小さくなりますし、直径10m以下になれば大気圏でほとんど燃え尽きてくれると思います。
因みに直径10mが街中に落ちれは大事故ですが、この10mが地上にたどり着くためには大気圏の外では数倍の大きさでなければなりません。
>シャトルで小惑星への離着陸は可能なのでしょうか?
あの映画でシャトルを使ったのは大失敗でしたね。
シャトルではあんなに遠くへは飛べません。最低でも月へ行けるくらいの大型ロケットでなければ到底無理です。ですから、人類は既に星間飛行の可能な有人宇宙船を開発したという設定でなければあの物語は成立しないです。
だとしましても、小惑星との軌道調整にたいへん時間が掛かり、下手をすれば太陽系を1周して来なければランデヴーできない場合もあります。果たして、映画では衝突が数日後です。かなり乱暴なシナリオですね。
また、あのくらいの大きさの小惑星はほとんどが時速2kmくらいの高速で自転しており、重力もたいへん小さいので極点へ行って碇でもぶち込まなければ着陸は難しいと思います。しかも、映画では車で走り回ったりマシンガンを撃ちまくっていましたが、小惑星であんなことをすれば一発で宇宙に放り出されてしまいます。
>小惑星にあなを掘ることはできますか?
あの小惑星が一枚岩ならば超硬ドリルが必要であり、現在の技術では一時間にどのくらい掘れるでしょうか。核爆弾を降ろせるような穴は期待しない方が懸命です。仮に瓦礫の集まりであったとしても岩盤には必ずぶち当たります。このため、映画では宇宙飛行士ではなく、石油切削のプロに白羽の矢が立ちました。
>また、これと同じようなシチュエーションになったとき、どのようにすれば衝突を回避することができるのでしょう?
小惑星があそこまで接近していれば軌道を逸らすのはまず不可能ですから破壊する以外に手段はないです。まあ、現在の技術では回避はお手上げと考えて下さい。
直径500mですと陸地ならば千km四方は確実に衝突の一次被害を食らいます。海洋である場合は津波など二次被害の及ばないところに非難しなければなりませんが、世界沿岸の大都市や南方の島々は全滅ですね。少なく見積もっても数千万人の被害者が出ます。
その後、地球規模の気候変動が予測されますので、食料・エネルギー不足で老人・弱者、途上国などを中心に死亡者は億を軽く超えてゆきます。国際的な一致協力が必要となります。十年や二十年では世界経済を立て直すことはできないと思います。
因みにあの映画の一番悪いところはブルース・ウィルスが生きて帰れなかったことです。「ラストマン・スタンディング」、ブルース・ウィルスというのは何があっても最後まで勝ち残るヒーローでなければいけないんです。あの映画はここのところを分かってないですね。