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電圧形インバーターと電流形インバーターの使い分け
インバーターには、電圧形インバーターと電流形インバーターがありますが、どういう特徴の違いがありどう使い分けるのでしょうか?
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大容量でのサイリスタ サイリスタは構造上チップに垂直に電流が流れるので大電流化が容易だった。(最近のIGBTでも垂直に電流が流れるタイプがあったかと思います。) 光直接トリガサイリスタがあり、高電圧での直列使用が容易。(ゲートの対地絶縁が楽)。 高電圧で使用するための直列接続の技術が確立している。(ON時のタイミングのバラツキが問題になりますが、サイリスタだとONが遅くて過電圧になると自己点弧するので故障に繋がりにくい。) と言う点で特に直流送電のような高電圧大電流変換器では優位なようです。 もう一点、現在容量の特に大きな変換器は直流送電や周波数変換所の変換器ですが、これらは両側に電圧源(電力系統)が繋がるので、直流リンクを電流型で構成するのが容易(電流型変換器が適している)という面もあるかと思います。大容量直流回路部品の長期信頼性の点でも、リアクトルの方が分があるようです。 GTOとIGBT 大容量IGBTの開発が進んできたので、最近はかなりのところまでIGBTで作れるようです。かつては、MVAクラスはGTO、みたいな感じもあったのですが、、。(IGBTのほうがゲート駆動が楽ですし、PWMのキャリア周波数も高くしやすいので。) また、GTOもより高速で動作できる改良型(GCTだったかな?)も出てきているので、MVAくらいの容量のところはちょっと混沌としている感もあります。 このあたりのすみわけを、容量やスイッチング周波数で記載した図を時々目にします。(今手元にそれらしいのが見当たらないのですが) 図書館などで、パワーエレクトロニクスの最近の解説を探されるのが良いかと思います。
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- foobar
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電流型インバータの方がトルク脈動が大きい インバータとモータを直結すると、電流型の場合には矩形波電流が直接流れます。 電圧型インバータの場合には矩形波電圧が加わって、モータのインダクタンスがLPFの作用をして、電流はより滑らかに(高調波が少なく)なります。 その影響を言っているのかと思います。 もっとも、(特に高い周波数でPWMをかけた場合には)電流型でもモータとインバータの間に並列にCを入れてやることで、印加電圧が三角波状になって、電圧型を直接接続した場合よりもリプルが低減されることもあるので、一概には言いにくいかと思います。
お礼
なるほど。そういう事ですね。 スッキリしました。ありがとうございました。
- foobar
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まず、直流側が電圧型では電圧源(一定電圧、低インピーダンス)で、電流型では電流源(定電流、高インピーダンス)、というのがあります。 同時に、交流側では電圧型ではスイッチング周波数付近では抵抗もしくは電流源的に見える(誘導負荷)必要があり、電流型では抵抗もしくは電圧源にみえる(容量性負荷)必要があります。 また、使用するスイッチング素子では、電圧型では逆導通が電流型では逆阻止の特性が必要です。 現在では、中容量くらいまでの機器では、逆導通の素子の入手が用意し易い、直流側で電圧源を用意し易いことから電圧型が主流かと思います。 大容量では、逆阻止型のサイリスタが使い易いので電流型が使われることもあるようです。 他にも、交流側の電圧や電流波形、フィルタの次数(例えば、低インピーダンスの系統に連携する場合、電圧型だと奇数次の、電流型だと偶数次のフィルタになり、次数がひとつ異なるため歪の大小が出てくる)の差もあります。
補足
回答ありがとうございます。 現状では、中容量までは電圧形で大容量では逆阻止型のサイリスタが使い易いと表記していますが、何故大容量だと逆阻止型のサイリスタが使い易いのですが?電圧型でよく使われるIGBTよりサイリスタの方が定格容量が大きいからでしょうか? 追加で質問して申し訳ないのですが、これらのインバーターと電圧形GTOインバーターとの住み分けはどうなっているのでしょうか?
補足
ご回答ありがとうございました。 容量やスイッチング周波数の特性比較した図は、手元にあります。大容量はサイリスタ、高スイッチング周波数はパワートランジスタ(MOSFET)となっています。 また、どの方式でモータに電源供給するかは、モータ容量や回転数によって選定するのですね。 さらに、もう一点質問したいことがあるのですが、一般に、電流形インバータのトルク脈動が大きいとされていますが、これはトルクは電流に比例し電流形インバータは方形波電流を制御するので滑らかな正弦波電流が得られずトルク脈動が大きく、これに対し電圧型インバータは方形波電圧を制御し、負荷側のインダクタンス成分により遅れ電流が発生し、これにより滑らかな正弦波電流が得られるためトルク脈動が小さくなるのでしょうか?