パワーMOS-FETを普通のCMOSロジックICなどでドライブすることは
周波数が低ければできます。もちろん、MOS-FETのゲートドライブとして
十分な電圧振幅がそのロジックICで出せればのはなしですが。(3.3V
電源のCMOS出力で、10Vドライブが必要なFETをドライブすることは
できません)
ところが、ON/OFFの周波数が高くなると、MOS-FETのゲート~ソース間に
存在する入力容量が大きいために、その容量への充放電電流が大きく
ないと短時間でのスイッチングができなくなります。
例えば、MOS-FETの入力容量が0.01uFあるとして、これに繰り返し周波数
200kHz, 立ち上がり時間0.5usec, (立ち下がりも同じ)で振幅5Vの
ドライブをしようとすると、0.01uFを0.5usecの間に5Vまで充電する
必要があり、そのためには100mAの電流が必要です。
100mAという電流は普通のロジックICからは取り出せません。結局、
出力電流が大きくて、スピードが速くて、大きな電圧振幅がとれる
ドライブICが必要になります。これがMOSドライバです。
また、中には10Vくらいの振幅がないと十分な電流を流せないMOS-FETも
あります。その場合は低速であっても、普通のロジックICで出せない
大振幅を得るためにもMOSドライバを使います。(4000シリーズの
CMOSは15Vまで出せます)