> CRフィルタやLCフィルタはノイズはほとんどないと考えて良いのでしょうか?
それを考える前に、部品に起因するより大きなノイズの影響を取り除く必要があります。
電源を使わないフィルターは電源から直に入るノイズはなくなりますが、
部屋のAC100V配線や蛍光灯などからの交流誘導ノイズが入ります。
シールドしたり、回路のGNDを筐体に一点アースすることでこれらはなくなります。
最後に残るのは、R,L,C素子そのものによるノイズです。部品固有のノイズと他の素子との結合ノイズがあります。後者はインピーダンスが高くなるほど大きくなります。前者はノイズの少ない素子をつかったり、温度を一定に保つ事で軽減することができますが、完全にノイズをゼロにはできません。
信号(S)とノイズ(N)のS/N比がどの位要求されるかで、対処の仕方が変わってきます。例えば、信号が1Vp-p位でノイズを1mVp-p位したいのか、ノイズが10mVp-pでも良いのか、ノイズが信号の50dB以下であればいいのか、といった条件次第で、R,L,Cに起因する雑音を考えればいいでしょう。
一般的には、ソリッドカーボン抵抗は高周波特性がいいが雑音が多い。金属皮膜抵抗は雑音が少ないが、周辺の温度の揺らぎに影響されやすい。
こういった特徴がコンデンサーや、コイルにもあります。
雑音が許容レベルが大きいなら、そんなに部品からでる雑音を気にしなくてもいいです。
大体、1mV以下の雑音は普通の自然環境の中で存在します。雑音の影響を小さくするには信号の大きさを20Vp-pなどと大きくすればS/N比が上り、雑音の影響が少なくなります。信号の大きさが1mVp-pと小さくなれば雑音の中に信号が埋もれてしまいます。
信号の大きさを大きくした方が、部品に起因する雑音の影響を少なくできます。