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環境法での質問です。
大学の試験でこのような問題がでました。回答がしりたいのですが、教えてください。 [事例] 株式会社Aは、かねてから産業廃棄物処分事業への参入を計画し、B町で産業廃棄物処理施設(焼却施設)を営む計画を立てた。その後、A社は、B町のあるC県から、2007年3月に産業廃棄物処分業の許可をC県から所得した。ところが、同施設近くで、お茶栽培に従事するD氏は、この施設は許可手続きや許可基準に違反しており、また、操業されれば大気汚染により健康被害や農村物被害が生じると主張している。 [設問] 1.D氏が将来における被害の防止の為に採りうる訴訟上の手段として、行政訴訟を取り上げて説明しなさい 2.D氏が将来における被害の防止の為に採りうる訴訟上の手段として、民事訴訟を取り上げて説明しなさい どうぞ、よろしくおねがいします。
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行政法はあまり勉強したことがないので,出題の意図に即したことは書けないかもしれません。 また,答案構成だけ示しますので,具体的なあてはめは自分でなさってください。 特に具体的な理由(規範と結論をつなぐ架け橋)を自分の頭で考えることが重要です。 小問1 将来における被害の防止の為に採りうる行政訴訟上の手段 →「2007年3月に産業廃棄物処分業の許可をC県から所得」:「許可」という行政処分の瑕疵を争う。 1 処分取消しの訴え(行政事件訴訟法8条以下)の可否 →Dに原告適格があるか?:「法律上の利益」の意義 →法規が,私人等の個人的利益を保護することを目的として行政権の行使に制約を課していることにより保障される利益(最高裁昭和53年3月14日判決) →産業廃棄物処分事業の許可制度の趣旨 :環境保護のみならず,周辺住民の健康や農村物の保護も含まれる。 →「同施設近くで,お茶栽培に従事するD」には,法律上の利益がある。 →Dの当事者適格は認められる。 2 無効等確認の訴え(行政事件訴訟法36条)の可否 →当事者適格:「法律上の利益」の意義:訴えの趣旨からみて,取消訴訟における「法律上の利益」と同義(最高裁平成4年9月22日判決) →「目的を達することができない」の意義 →無効等確認の訴えの趣旨:違法な行政処分から,迅速・有効に国民の法律上の利益を守ること →処分の無効を前提とする当事者訴訟又は民事訴訟によっては、その処分のため被っている不利益を排除することができない場合はもとより、当該処分に起因する紛争を解決するための争訟形態として、当事者訴訟(行政事件訴訟法4条)又は民事訴訟との比較において、当該処分の無効確認を求める訴えの方がより直せつ的で適切な争訟形態であるとみるべき場合をも意味する(上記判例)。 →本件は?? 3 仮の差止め(行政事件訴訟法37条の5)の可否 小問2 1 将来における被害の防止の為に採りうる民事訴訟上の手段 差止請求の可否 訴えの利益の有無→「操業されれば大気汚染により健康被害や農村物被害が生じる」→人格権侵害:人間として生存する以上,平穏,自由で人間たる尊厳にふさわしい生活を営むことも,最大限度尊重されるべきであり,憲法13条はその趣旨に立脚し,憲法25条も反面からそれを裏付けており,このような個人の生命,身体,精神及び生活に関する利益は,各人の人格に本質的なものであって,その総体を人格権ということができる(大阪高裁昭和50年11月27日判決)。 差止請求自体の可否 根拠:不法行為(709条)の趣旨である被害者保護 →事前の差止めを認めるほうが,当事者の保護に資する。 また,取消判決が確定していればもちろん,確定前にも,被害発生が明らかであるのに行為すれば,故意・過失がありかつ違法 以上から,差止請求が可能 それにしても,行政法と民事訴訟法との組み合わせ問題とは,教授もなかなかやりますね。