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電子が二つの状態にあるとはどのような?
「原子の中で電子はモノでなく状態としてあるが、水素原子内のように一つ状態で存在してある場合と、ヘリウム原子内のように二つ状態で存在している場合とがある」と一般にされているようですが、同一時刻での同一状態というものが複数ある/数えられるというのが、理解できません。「モノが二つの状態の間で変化するがその都度は一つの状態にある」というようなイメージは一般的ですのでできますが。 よろしくお願いします。
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質問者は理工系の大学1,2年生かと思って回答しましたが、プロフを見ると文科系の学生さんのようですね。 量子力学は理工系の学生にも理解し難いものなので文科系の学生に説明するのは大変です。 はじめから難しすぎる本を読んだようですが、厳密性を失わずに簡単に書こうとするあまり、却って理解し難い本となったようです。 先ずは、講談社のブルーバックスのようなもっと簡単な入門書から読むことをお勧めします。 例えば、古い本ですが都筑卓司著「不確定性原理」などは、巨人の星の大リーグポール2号を例にとって説明してあり、とっつきやすいと思います。 これだけでは無責任なので、質問に対して本質的な部分だけを解説しておきます。 先ず電子は粒子か波動かですが、現代の物理学では両方の性質を持つとされています。 (なのでWikipediaの記述は片手落ちです。) 前に書いたように、日常生活のスケールでは粒子として扱って問題ありませんが、 原子以下のスケールでは波動的性質が強く現れます。 但し池の波のように水面全体に広がる波ではなく、例えば人間の目を正面から見て、 上下のまぶたの間に波線を引いたような、局所的にかたまった波として表されます。 近くで見ると波に見えますが、遠くから見ると粒のように見えるでしょ? この波の強さや波長(山と山との間隔)が、「状態」です。 あなたの読まれた本では「波」と「状態」が区別しにくいようですが、 「ある状態の波」と読み替えれば理解しやすいのではないでしょうか。 原子核の周りに電子が存在するためには、波がぐるっと一周して丁度山と山が重なる必要があります。 つまり、1つの軌道には電子が1個(1つの状態)しか存在できない筈ですが、 電子には「スピン」という「状態」もあるので、2つの「状態」まで存在できます。 平たく言えば、「電子は2個まで存在できる」ということです。 原子や分子の化学的性質は電子の「数」に依拠し、「状態」はあまり関係ありません。(全くないとは言わない) 詳しくは高校の「化学II」の教科書か参考書を読んで下さい。
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- semikuma
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我々が学生の頃は、「電子は1つの軌道に2個まで入り得る」と習ったものですが、今の教科書ではそんな難しい表現で書かれているのでしょうか。 もちろん上の表現は厳密には正しくありませんが、イメージはしやすいと思います。 電子は古典物理学的には粒子として扱われ、日常生活のスケールではそれでほとんど問題はありませんが、 (例えば、ブラウン管内では電子銃から発した電子が直進して蛍光体を光らせる、とか。) 原子以下のスケールで考えるときには、不確定性原理により電子の位置とエネルギーを同時に確定することはできないので、 電子軌道は雲のような存在確率分布で表わされ、そのときの電子エネルギーなどの物理パラメータを「状態」、取り得る状態の数を「状態数」と表現します。 これを用いると、冒頭の文は「1つの電子軌道上の電子の取り得る状態数は2である」と表現されます。 では2つの物理状態とは何かですが、電子が自転していると考え、その向きが右回り、左回り(上向き、下向き)の2つの状態を持つ、と表現されます。 つまり1つの電子軌道上には、種類の異なる2個の電子までが入り得る訳です。 少しはイメージしやすくなりました?
補足
ありがとうございます。ですが、難しくてわかりません。別の形でご質問しますと: http://www.ryoushi-rikigaku.com/qua&con.htmlには 海水というモノに対しての波動という状態、というように電子が説明されています。だから、電子が状態だというのは、原子の一状態ということなのかしら? 原子の質や状態の変化が電子の量に依拠するということなのかしら? ウィキペディアの電子の項を見ますとしかし、電子は波動状態ではなく粒子だと、イギリス人が明らかにした、と読めますよね?