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オペアンプに関してアドバイスを下さい。

現在、オペアンプを使ってIVアンプを作製しようとしているのですが、 オペアンプ選びに困っています。 スペック表の中で自分の使用する周波数帯にノイズが少ないものが良いのは分かるのですが、カレントノイズが少ないものはボルテージノイズが多く、ボルテージノイズが少ないものはカレントノイズが多いというようにオールマイティなものが見あたりません。 IVアンプの場合はカレントノイズよりもボルテージノイズの方を気にするべきなのでしょうか?

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  • inara1
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回答No.1

>IVアンプの場合はカレントノイズよりもボルテージノイズの方を気にするべきなのでしょうか? 帰還抵抗が1MΩというオーダなら、カレントノイズの小さいもの(FET入力やCMOSタイプ)をお使いください。 IV変換回路のトータルノイズは、オペアンプの入力換算ノイズ(電圧と電流ノイズ)の他に、帰還抵抗の熱雑音で決まります。 オペアンプの電圧ノイズ密度を Vn [V/√Hz]、電流ノイズ密度を In [A/√Hz]、帰還抵抗を R [Ω] としたとき、全体の入力換算電圧ノイズ密度 Vall [V/√Hz] は    Vall = √{ Vn^2 + ( In*R )^2 + 4*k*T*R } --- (1) で表わされます。k はボルツマン定数 [J/K] (=1.3806504E-23)、T は温度[K] です。CMOSオペアンプのLMC662、FET入力のAD711、超低雑音のAD797のノイズ密度は下表のようになっています。帰還抵抗が 1MΩ、10MΩのときの全体のノイズ密度の計算値も示します。                                Vall [μV/√Hz]  オペアンプ Vn [nV/√Hz] In [pA/√Hz]   R=1MΩ   R=10MΩ  LMC662   22        0.0002        0.131     0.408  AD711    15        0.01          0.130     0.419  AD797    0.97       2            2.000     20.00 この結果からお分かりのように、帰還抵抗がMΩオーダのとき、全体の入力換算ノイズは、オペアンプの電流ノイズが小さいものほど小さくなります。FET入力とCMOSでは電流ノイズが3桁違いますが、全体のノイズがほとんど同じなのは、オペアンプのノイズよりも抵抗のノイズのほうがはるかに大きいため、全体のノイズがほとんど抵抗のノイズになっているからです(1MΩのノイズは0.129μV/√Hz、10MΩのノイズは0.407μV/√Hz)。 入力電流を I [Arms]、周波数帯域を BW [Hz] としたとき、IV変換後の信号強度 {Vrms] とノイズ強度 [Vrms] は以下のようになります。   信号強度 = I*R   ノイズ強度 = ノイズゲイン*Vall*√(BW) となります。ノイズゲインはJAICA2さんの質問 [4] の回答に出ています(入力容量/帰還容量が大きいほど大きくなります)。したがって信号強度と雑音の比(SN比)は   SN比 = I*R/{ ノイズゲイン*Vall*√(BW) } となります。オペアンプのノイズが小さくて Vn^2 + ( In*R )^2 << 4*k*T*R とみなせる場合には、式(1)は    Vall ≒ √( 4*k*T*R ) と近似できるので   SN比 ≒ I*R/{ ノイズゲイン*√(BW)*√( 4*k*T*R ) } = I*√R/{ ノイズゲイン*√(4*k*T*BW) } となり、SN比は√Rに比例することになり、帰還抵抗 R を大きくするほどSN比を大きくすることができます(IV変換やチャージポンプ回路でRを極端に大きくしているのはこのため)。しかし、オペアンプの電流ノイズが大きいと、Rを大きくしたときに Vn^2 + ( In*R )^2 << 4*k*T*R が成り立たなくなって、Rを大きくしてもSN比が良くなりません。長々と書きましたが、結局、使用するオペアンプは Vn^2 + ( In*R )^2 が小さいものを選ぶということです。帰還抵抗 R が非常に大きいときは 電圧ノイズ Vn よりも電流ノイズ In が小さいこと(入力バイアス電流が小さいオペアンプ)が重要です。 [1] LMC662データシート(3ページのInput-Referred Voltage/Currnet Noise) http://cache.national.com/ds/LM/LMC662.pdf [2] AD711データシート(2ページのINPUT VOLTAGE/CURRENT NOISE) http://www.analog.com/static/imported-files/data_sheets/AD711.pdf [3] AD797データシート(3ページ) http://www.analog.com/static/imported-files/data_sheets/AD797.pdf [4] http://sanwa.okwave.jp/qa4296008.html

その他の回答 (3)

  • inara1
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回答No.4

ANo.1&2です。 JAICA2さんはかなり質問が多いようですが、過去の質問の回答に対してちゃんと返答しないで新たな質問を続けていると、誰も回答してくれなくなるかもしれませんよ。ANo.3さんが紹介された翻訳本「OPアンプによる信号処理の応用技術」は良い書籍です(私も持っています)。IVアンプのノイズについてはそのp.192-222に出ています。IVアンプに適したオペアンプ(FET入力)も紹介されています。

回答No.3

下に詳しい回答がありますが,詳しすぎるんで簡単に. オペアンプの選び方は, 1.使用可能オペアンプ毎に,ボルテージノイズ+カレントノイズに帰還抵抗のジョンソンノイズを足して(もちろん,2乗和)トータルノイズを求める. 2.トータルノイズが最も少ないオペアンプを選ぶ. 3.そのとき,フリッカーノイズ(1/fノイズ)が増加するコーナー周波数が必要周波数帯に入っていないことを確認する,もし入っていたら,フリッカーノイズの小さなオペアンプを選ぶ. とゆうことです. 当然のことですが,IVアンプは電流源Iの寄生容量と反転入力端子の配線による浮遊容量により,微分回路になります. 帰還抵抗に低リークのコンデンサを並列に入れて,入力容量を打ち消さないと,ノイズは急増します. 参考書は,ここの http://www.analog.com/library/analogDialogue/archives/39-05/op_amp_applications_handbook.html 第4章がエエみたいです. http://www.analog.com/library/analogDialogue/archives/39-05/Web_Ch4_final.pdf 翻訳も出ています. http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/36/36121.htm

  • inara1
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回答No.2

ANo.1です。訂正します。 【誤】FET入力とCMOSでは電流ノイズが3桁違いますが 【正】FET入力とCMOSでは電流ノイズが2桁違いますが 【誤】ノイズゲインはJAICA2さんの質問 [4] の回答に出ています 【誤】ノイズゲインは最近の質問の回答 [4] に出ています 補足ですが、オペアンプのデータシートの表に書かれているノイズ密度は特定の周波数の値です。測定する周波数が低い場合には、電圧ノイズと電流のノイズの周波数特性を見て、フリッカーノイズ(1/f)の小さいオペアンプを選ぶ必要があります。[1]~[3] のデータシートには電圧ノイズ密度の周波数特性は出ていますが、電流ノイズ密度の周波数特性はありません(電流ノイズ密度の周波数特性が出ているものはあまりありません)。[5] を見ると、電圧ノイズ密度の周波数特性と似ているようです。ちょっと高度ですが、オペアンプのノイズに関しては [6] が参考になります。 [5] 図3(PDFファイル3ページ) http://pdfserv.maxim-ic.com/jp/ej/EJ34.pdf [6] http://www.analog.com/static/imported-files/jp/application_notes/91559174AN_358.pdf

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