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アルコール分解酵素について
大学主催のイベントで、アルコール分解酵素についての実験に参加したのですが、 不明な点を残したまま終わらせてしまったので、どうか答えてくださる方がいましたらよろしくお願いします。 最初に絆創膏にアルコールを染み込ませて肌に貼り、どの程度赤くなるかを見ました。所謂パッチテストです。 4人とも赤さはさまざまでした。 そこで、髪の毛からDNAを採取し、PCR法とか円新聞地とかいう過程を経て…電気泳動でバンドを確認し… 被験者が野生型(アルコールを分解する酵素を多く持つ)であるかヘテロ型であるかホモ型であるか、 を調べましたところ、4人ともヘテロ型(酵素が多くも少なくも無い?)でした。 パッチテストでは赤さがマチマチであったのに、 遺伝子からみると全員がヘテロ型。 この赤くなる程度の差はどこから生じるのでしょうか? 食習慣とか、普段の生活が原因なのでしょうか。 また、地方によっても異なると聞いたことがあります。 確か、九州の方は、お酒に強い人が多いとか…。 日本人は50%が野生型、40%がヘテロ型、10%がホモ型であると 本に書いてありました。 この実験やりました、という方などいましたら、是非よろしくお願いします。
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アルコールの代謝に関係する酵素はいくつもありますが、日本人で顕著な多型があり、遺伝的なアルコールに対する強さを決しているのはALDH2(アルコールデヒドロゲナーゼ2)です。ALDHはエチルアルコールが一段階酸化されて出来るアセトアルデヒドをさらに酸化して酢酸にする酵素です。アセトアルデヒドがお酒を飲んで顔が赤くなったり、悪酔いする原因物質であるといわれています。 白人、黒人には活性を持つALDH2*1アレルしか存在しないとされているのに対し、モンゴロイドには完全に活性を失ったALDH2*2アレルがある頻度で存在します。学生実験の定番でもあるので、これを調べたんでしょう。 >パッチテストでは赤さがマチマチであったのに、遺伝子からみると全員がヘテロ型。 完全に活性をもつALDH2*1/1や、活性が全くないALDH2*2/2の被験者がいなかったのが残念でした。要は、ヘテロ接合型ALDH2*1/2では、パッチテストでそれくらいの幅があるということです。1/1や2/2の人と比べたらかなり顕著な違いが見られたのではないかと思います(1/1は全く変化なし、2/2は周囲がはれるほど赤くなる)。 活性型と不活性型のヘテロ接合体ALDH2*1/2は、1/1の半分の活性でパッチテストもちょうど中間くらいになるかというとそうではありません。 ALDH2タンパク質は4つ会合して一つの酵素として働きます(四量体)。 活性型と不活性型のタンパク質が等量あったとして、任意に四量体を形成すると4分子がすべて活性型になる確率は1/16で、これだけが完全な活性をもます。それ以外はサブユニットとして不活性型を含むため酵素活性を失い、結局、1/1型の1/16の活性しかないと言われています。 ただし、このような人たちは、飲酒習慣によってALDH2の発現、だんだん活性が上がってきて、アルコールに強くなってくることがあります。アルコール摂取による酵素誘導という現象で、ALDH2の発現・蓄積が誘導されてくるためといわれています。これとは別に、飲酒によって、主に肝臓でミトコンドリアの毒物代謝系の一種が活性化されてきて、酒に強くなってくるということもあります(こうなってくると肝臓を壊す一歩手前とも言えますが)。この辺が、ヘテロ接合型の人での反応がばらつく原因でしょう。
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- MIYD
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>この赤くなる程度の差はどこから生じるのでしょうか? 4人が一卵の四つ児で同じ遺伝子を持つわけではありませんよね。1遺伝子しか見ていませんので、その他の遺伝子の影響から生じるでしょう。 パッチテストで厳密に各人の操作が同じにはなっていないでしょう。 肌の日焼けの色の違いなどで厳密に赤さは比較できていないでしょう。 生活が異なれば、環境が違いますのでそれによっても影響は生じるでしょう。 >酵素が多くも少なくも無い? 遺伝型と酵素の多い少ないは相関はありますが別物ですよ。
お礼
確かに…パッチテストの操作は厳密には行われませんでした。 個人差というのものが何事にもありますよね。 助かりました。どうもありがとうございました。
お礼
4人で実験を行って全員が同じ結果になってしまったので 残念でした。 やはりお酒を飲む習慣がつくと、アルコールに強くなってくるものなのですね。 助かりました。本当にありがとうございました。