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(1)被告人の公判での発言を記載したものは伝聞証拠なのですか?
(1)被告人の公判での発言を記載したものは伝聞証拠なのですか? 伝聞証拠は「公判外での供述を内容とする・・・」もしくは 「反対尋問を経ない供述証拠」であるところ、それではあてはまりませんので。 (2)伝聞証拠でないなら、なぜ伝聞例外のところに条文があるのですか?
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刑事訴訟法322条2項の問題という前提で回答します。 >(1)被告人の公判での発言を記載したものは伝聞証拠か? 被告人の公判期日における供述は,直接裁判官の面前で行われるものですから,これは伝聞証拠ではありません。このため,322条2項の適用と関係なく,証拠能力があります。 しかし,公判手続の更新や,移送,破棄差し戻しなどがあれば,それ以前の供述については,供述をした公判の裁判官と,証拠を判断する(判決する)裁判官が異なってきますから,被告人の供述そのものではなく,それを記載した書面(公判調書の供述記載)が証拠となります。 この書面は,更新や破棄差し戻し後の裁判官から見たら,公判期日における供述に代わる書面ですから,直接主義を満たしておらず,伝聞証拠です。 もっとも,被告人自身の供述ですから,被告人の反対尋問はあり得ないし,検察官の(反対)尋問の機会は既に与えられています。このため,任意性さえあれば,無条件に証拠能力が認められるものとされ,伝聞例外を認める要件としては非常に緩いものになっています。 なお,No.1の方との回答の違い(322条2項は伝聞例外にあたるのか,そもそも伝聞ではないか)は,伝聞禁止の根拠として,直接主義の要請を含むと考えるか,含まないと考えるか,という部分にあると思われます。 どちらかが絶対的に正しいというわけではなく,前提が異なる話なので,ご自分がどちらの立場に立つかによって,選択されればよいかと思います。 参考まで,基本書として使用している人も多い田口守一先生は,現行法が当事者主義的手続構造をとっていることから,伝聞禁止の根拠に直接主義の要請を入れることに慎重な立場のようです。一方,裁判所職員総合研修所の刑事訴訟法講義案では,直接主義の要請も,伝聞禁止の要素として考えているようです。
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問1 被告人の公判での発言を記載したものは伝聞証拠なのですか? 伝聞証拠は「公判外での供述を内容とする・・・」もしくは「反対尋問を経ない供述証拠」であるところ、それではあてはまりませんので。 答 伝聞証拠とは,あなたのおっしゃるとおり,「公判期日における供述に代わる書面,又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述」(刑事訴訟法320条)又は,「公判廷における反対尋問を経ない供述」のことです。 322条2項に規定された「被告人の公判準備又は公判期日における供述を録取した書面」は,伝聞例外(:伝聞証拠ではあるが,証拠としての必要性及び信用性の情況的保障があることにより,例外的に証拠能力が認められる証拠)ではなく,非伝聞(:伝聞証拠ではない証拠)です。 たしかに,狭い意味の伝聞供述ではありませんが,320条にいう「書面」ですよね。だから,被告人質問を経ることなく本件書面によることを認めるために,322条2項で規定したものと思われます。 320条1項にいう「321条乃至328条に規定する場合」は,伝聞例外のみを規定しているものではありません。328条の弾劾証拠も,同一人の矛盾供述に限定することで,伝聞証拠ではなく非伝聞を注意的に規定した ものとされています。
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すばやい回答に感謝申し上げます
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ご丁寧な回答ありがとうございました。たすかりました。