>無機は色が多くて苦慮しています
色が少なければ周りの世界がつまらなくなりますよ。
本を開くと見事に印刷された写真のページを見ることが出来ます。
印刷インキや絵の具の色はほとんど全て無機金属化合物の色です。
昔の日本画の絵の具は天然の鉱石を砕いて作っていました。岩絵の具と言います。青~藍色は銅の化合物です。赤~茶色は鉄の化合物です。
同じ青でも鉱石の産地によって色合いが異なりますから同じ色の絵の具を手に入れることは難しいことだったようです。
また混ぜてはいけない色というのもあったようです。硫化物を成分とする色と銅の化合物を混ぜるとCuSの黒い化合物に変わることがあります。初めは鮮やかな明るい色だったのに時間がたつと黒っぽくくすんでくるということになります。
「何でも鑑定団」を見ていると「この絵で使われている絵の具は時代が新しいものだから偽者である」というようなコメントを聞くことがあります。素人には同じような色に見えても使われている絵の具の材料に違いがあるのです。絵の具は化学物質です。
サインペンの成分表示には顔料系、染料系という区別があります。顔料は無機化合物、染料というのは有機化合物と思っていいと思います。
私達の周りの自然の中に存在するものは全て化学的な物質です。教科書の中だけで化合物が出てくるのではありません。動物も植物も岩石も全て化学物質です。
色の付いたものが多いです。この色はどういう物質の色だろうかと考えてみるのも面白いかもしれません。
口紅の色は何の色だろうか、口に入って大丈夫だろうか、なんて考えたことはありませんか。色は付いていませんが口紅の中のワックスの成分は大丈夫だろうかというのはどうですか。
祇園の舞妓さんのように真っ白く顔に化粧をしたとき、何を塗っているか考えたことはありませんか。白い物質が材料のはずです。昔は白い化合物があまり知られていませんでした。石灰を成分とするものはアルカリ性が強いですから顔に塗ることが出来ません。鉛の化合物を使っていた時期がありました。皮膚に鉛が沈着して引退するころには顔がどす黒くなっている人がたくさんいました。私も子どものころにそういう人を見た記憶があります。
自然界にはいろんなものがあります。似ている点と異なる点を整理してグループ分けしていきます。似ている所ばかりだと区別が出来ません。全てが異なっていれば整理のしようがありません。色は化合物の重要な性質の1つです。
カブトムシとクワガタの違いをたいていの小学生は知っているのですから銅のイオンと鉄のイオンの色の違いを高校生が知っていてもいいのではないですか。
「鉄錆びの色」とか「銅の錆びの色」と言えばたいていの人は知っています。でも「鉄の化合物の色」とか「銅の化合物の色」とかになると拒否反応を示すという人が多いように感じます。錆びの色は化合物の色の1つですから一歩知識の枠を広げるだけのように思うのですが。
お礼
ご回答ありがとうございました。そーですね、単体の色でしたね、すいません。無機は色が多くて苦慮しています