どの辺りまで知識をお持ちなのか不明なので、なるべく説明を書くようにしております。
説明部分をご存じの場合にはご容赦願います。
1.塩(エン)の結晶
プラス電荷のイオンとマイナス電荷のイオンの構成粒子がクーロン力に基づいて規則正しく綺麗に配列したもの(例:塩(シオ) Na+とCl-)
この状態では電子は全てイオンの中の原子核に捕らわれているので自由にならないため、電気は流れない。
しかし、水に溶かせばプラスイオンとマイナスイオンになって自由に移動することができるので、電気が流れる。
2.金属結晶
金属イオン(正電荷)が規則正しく綺麗に配列し、その周りや中を自由に金属イオンが放出した電子が移動できる状態になったもの
(例:銅 通常2つの電子を放出してCu2+の状態で配列し、配列した銅イオンの周囲を電子が動き回っている)。
自由電子がなければ金属イオンの正電荷同士で反発力が生まれて結晶になれず、電子が動けないので電気も流れない。
逆に、自由電子があるので、金属は導電性がある。
延性(引っ張っても千切れない性質)や展性(押す・叩くなどで形が変わる性質)も、自由電子が自由に動けるからこそ、金属イオンの構造が何らかの力で変わっても大丈夫。
金属光沢も自由電子が持つ電場が光の電場を拒むために見られる現象です。
3.有機結晶・タンパク質の結晶
A No.1の方のおっしゃる通り、有機結晶にはいろいろ細かい分類があります。
本当はこんな分類をするのはどうかと思われる方も多いかと思いますが、大雑把にまとめると以下のようになるのでしょうか。
一般的には水素結合の力やファンデルワールス力と呼ばれる小さい力によって、有機分子が規則正しく綺麗に配列したもの(例:砂糖)。
有機物は全体的に見れば電気的に中性であることが多いので、塩や金属のようにクーロン力を使うことができません。
プラスやマイナスの一つの完全な粒子で結合するのではなく、一般的には有機分子の一部分に出来たプラスやマイナスの電気的な力によって結合します。
水素結合:陰性原子(窒素、酸素、ハロゲンなどの電気陰性度が大きな原子)に共有結合で結びついた水素原子が、陰性原子に電子を引っ張られてプラスに帯電し、近傍に位置した他の原子の孤立電子対と非共有結合的につくる結合のこと
ファンデルワールス力:無極性な分子内においても電子は絶えず移動することによって瞬間的に小さな電気的な偏り生成する。その電気的偏りを持つ分子同士で起きる相互作用によって生まれた力
もちろん、例外も多々存在し、例えばクーロン力を使えることもあります
(例:酢酸ナトリウムの酢酸(マイナスイオン)とナトリウム(プラスイオン)
今回の分類を無理やり使うなら、これは有機結晶であるともいえますし、塩の結晶であるとも言えるでしょう。
最後に、タンパク質も有機物の一種なので、タンパク質の結晶は有機結晶の一部です。