どもりの概要
突然、特定の言葉が発しにくくなる疾病で、まわりに人がいなければこのようなことはなく流暢に言葉が出る場合もあれば、独り言でも吃る場合もある。原因は特定されていない。
非吃音者があせって早口で話す時に「突っかかる」こととは異なる。テレビ番組の出演者が使う「噛む」こととも異なる。
吃音は2歳で発生することが多く、成人では0.8~1.2%、学齢期の子供で約1.2%、5歳までの子供では約5%が吃音者であるといわれる。子供の頃は本人が気づいていない場合も多い。吃音の程度やどもりやすい言葉や場面には個人差がある。緊張していたり朗読や電話の応対をしたりする、「あいさつ」などの日常よく使う言葉など、どもりやすい傾向があるとされる。しかし、一般には緊張するからどもるのではなく、どもるから緊張するのである。戦後一時期まで吃音は、精神的緊張に起因する癖であると誤って理解されてきた。それ故、吃音治療も心理療法が重視され間違った方向に進む。
『どもりは必ずなおせる ~子どものどもり おとなのどもり~』(婦人生活社 1983年)の著者である花沢忠一郎は、幼少の頃から吃音で苦しみ続け、独自の呼吸法や発声法などを取り入れた大人の吃音の矯正法を日本で最初に考え出し、吃音を自覚し始めたものを「大人のどもり」、吃音に無自覚なものを「子供のどもり」と定義した。子供の吃音や、本人が吃音を気にし人の目を気にする前だと治る確率も高いとされる。近年、吃音はICD-10分類の情緒障害としての吃音症だけではなく、それ以外にも色々な吃音症状があり、症候群[3]であるとする見解も出てきている。
他の身体的障害や言語障害と同様に、吃音は嘲笑やいじめの対象になる事もある。音読の授業で上手く喋れず子供の心に深い傷を負わせることも多い。吃音に絶望し自殺する者もいる。自殺しないまでもうまく言葉が話せないことに起因するうつ病、対人恐怖症、社会恐怖、引きこもりなどの二次障害が出ることもある。
お大事にしてください。