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倒木による損害賠償義務
田舎に10年前に父から相続した畑があります。父が生前この畑に植えた杉が、今では2階建ての家より大きくなりました。 5年ほど前に、この畑の横に民家が建ちました。 畑の杉が、台風、地震その他の原因によって倒れた場合、私に損害賠償の義務は発生しますか?
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結論から言うと、ちゃんと管理している限り大丈夫ではないかと思います。 その杉の木の「植栽または支持に瑕疵がある」場合、あなたに損害賠償義務が発生します。(「瑕疵」というのは要するに「欠陥」や「危険性」と思ってください) ただし、畑と杉の木を直接占有している人があなたではない場合(その物権を賃貸してるとか)、占有者が責任を負いますが、占有者が十分な注意をしている場合は所有者たるあなたが責任を負います。 この規定は無過失責任です。従って、「瑕疵があること」を予見しえなかったとしても、実際に瑕疵があれば責任を負います。 以上は民法717条に規定されています。 717条 1項「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。 」 2項「前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。」 では、この手のケースでどういう場合に「瑕疵あり」と判示されるかですが、 「竹木の下又は附近を人が通常通行する場所においては、大枝が腐朽するなどして通常程度の風によって切断落下する蓋然性があるようになったときは、当該瑕疵があるというべきであるが、本件は、大枝に腐朽部分はなく、強風により通常予期しえぬ生枝の切断と境内内外への飛散が重なったために起こったものであるから、通常竹木が有すべき安全性を欠くとはいえない。」東京高裁判決、昭和56年9月30日。 「本件老木は枯れたり腐っていたと認めるべき証拠はなく、過去に強風でもないのに折れて人に危害を与えたり、その危険があるとして地元住民から何らかの措置をとるよう申し入れがったとの証拠もない。 したがって、本件老木は通常の強さをもった生木であるところ、史上希な強風のために、枝の切断という予期し得ないことが起きたものというのが相当であり、本件老木の植栽又は支持における瑕疵があったとはいえない。」広島高裁判決、平成14年2月13日。 このように、判例は、「通常の安全性」を有していれば足りるとしており、予見し得ないほどの激しい災害に耐えるほどの安全性を要求してはいません。ごく通常の杉、地盤、環境ならば、よほどの震災であってもそうそう倒れたり折れたりしないですよね。むしろ民家の方がもろいくらいじゃないですか? なお、杉が倒れるかもしれないような危険がある場合において、もしあなたが適切な処置を行わない場合、畑の横の住民はあなたに対して法的措置をとることができます。(物権的妨害予防請求権、ならびに占有保全の訴え)
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- n_kamyi
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一般的には台風や地震による被害は不可抗力として損害賠償義務はないというのが定説です。 しかし、管理上、強風や地震による倒木が予期できるような状態であれば、それに対する対処をしなかったとして、損害賠償義務を認める場合もあります。
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御回答どうもありがとうございます。 畑の杉は全く手をかけていませんが倒木の危険性はないように見えます。 そのため、隣の民家からも倒木対策を求められたことは一度もありません。 こような場合、損害賠償義務は発生しないと考えていいですか?
- zorro
- ベストアンサー率25% (12261/49027)
あなたに所有権があります。あなたが管理するもので他人に損害を与えた場合は貴方が賠償しなければなりません。
補足
御回答どうもありがとうございます。 畑の杉は全く手をかけていませんが倒木の危険性はないように見えます。 そのため、隣の民家からも倒木対策を求められたことは一度もありません。 こような場合、”管理されている”状態と同じく、損害賠償義務は発生しないと考えていいですか?