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「マルサス的停滞」はなぜ発生するか
大学の経済の授業で、マルサスの『人口論』についてやっています。 そこで出てきた「マルサス的停滞」について調べたいのですが、 資料がなかなか見つからず困っています。 (もしかして、「マルサス的停滞」という言葉自体あまり使われない用語なのでしょうか?) 主に知りたいことは、マルサス的停滞はどうして起こるか? ということです。 どなたか、分かる方が見えたらぜひ教えていただきたいです。
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マルサス的停滞というのは、要すれば「人口は指数級数的に増加するが、農地は算術級数的にしか増えないので、一人当たりの食料が減り、経済成長は限界に達する」ということです。 人口論が書かれた18世紀末は、産業革命期で人口が増えつつあったので、マルサスはこのような悲観的な未来を予想したのです。一方、同じ英国の著名経済学者リカードは「人口論」と同時代に「経済学および課税の原理」において労働の限界生産物は最劣等地の限界地代に等しくなるところで最適化される、と説いて生産性の上昇が大事だということを唱えました。すなわち、農業の限界生産力で人口を賄えなくなっていくと、人々はより所得(生産性)の高い業種・職業に移ることになるというわけです。産業革命の進展、都市工業への労働力の移動はそれを証明していたわけです。加えて19世紀から20世紀にかけての科学技術の飛躍的な発展は人口増加を十分カバーするだけの生産・所得をもたたしたため、マルサス的停滞論は100年以上放置されることになります。マルサス的停滞論がふたたび取り上げられたのは大恐慌時代のケインズ「一般理論」および1960年代の環境問題をめぐる「ローマクラブ」における議論などです。地球全体でみたとき、耕作地の増加に比べて総人口の増加が劇的であるために、食糧供給が成長のボトルネックとして重要であるということになります。 なお、経済発展や経済の停滞についてはいろいろ仮説があります。新古典派成長理論、ルイスの二部門発展理論、雁行形態論、ハンセンの長期停滞論、シュンペーター的発展理論などいろいろあります。そうした仮説と比べてみるとマルサスが「なぜこんなことを考えたのか」がより明確になるのではないでしょうか。
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- tanuki4u
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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%82%B9 人口論のまとめ ってことでないですか?
補足
素早い回答ありがとうございます。 マルサスの人口論の概要はそこに書かれている内容で分かるのですが、 マルサス的停滞についてはそこには書かれていないのではないでしょうか? 本来であれば生産量が増えれば人口も所得も増えるが、生産量が増え、人口が増えても所得が増加しない、 というサイクルを「マルサス的停滞」と呼ぶ、と習いました。 では、どうしてこういうことが起こるのか、ということが気になっているんです。 ……あるいは、僕のその認識が間違っているのでしょうか?
お礼
詳しい説明ありがとうございます。 劇的な人口増加が大きな原因ということですね。 経済発展、停滞についての仮説、まだ学び始めて浅いためかほとんど分からないですが、今後の勉強の参考にさせていただきます。 どうもありがとうございました。