文法についてはともかく、敬語も含めた表現方法というものは本来一人一人の個性が反映して然るべきものなので、正直この種の問には正解がないと言っても差支えありません。ですので、参考例ということで‥ ( ^^
「○月○日に御社へお伺いしたいと存じます。つきましては、ご都合のよろしい時間をお知らせいただければ幸いです」
もちろんこの一文だけをポツンと書くわけではないでしょうから、前後の流れによってあちこち手直しの必要が生じると思います。
> 「おっしゃられてください」「ご連絡ください」を用いた方が
> いいですか?
上の例で「お知らせ」としたのは、単に私の好みです。もちろん「教えていただければ」や「ご連絡いただければ」でも一向に構いません。ただし、前には「お知らせ」、後では「ご連絡」を使うというような表現の不統一は、明確な理由がない限り避けるべきです。この点については「貴社、御社」についても同様のことが言えます。
ちなみに貴社と御社のどちらが良いかについてですが、私は文書の場合はどちらでもいいと思います。読み手側の好みも色々でしょう。中には字源をたどって違いを説明する人もありますが、実用面で意味のあることとは思えません。
ただし、会話においては、貴社よりも御社の方が話しやすくかつ聞き取りやすいのは事実です。
「おっしゃられる」は「おっしゃる」、「られる」が共に尊敬語です。このように一つの語中で尊敬語や謙譲語を重複して用いる表現は、第二次世界大戦後、平等社会に相応しくない過剰・煩雑な敬語であるという理由から「好ましくない表現」とされるようになりました。いわゆる「文法違反」ではないので、個人の裁量で自由に使ってよいと私は思うのですが、現実問題としては、使うと非常識の誹りを受けます ( ^^;
【以下は余談です】
「畏くも天皇陛下に【おかせられ】ましては万世の為に太平を開かんと【思召され】‥」
これは昭和20年の玉音放送におけるNHKのアナウンサーの言葉ですが、当時これを「NHKが二重敬語を使うなんて!」と指摘する日本人は、少なくとも表向きは一人もいなかった筈です (笑)
言葉の習慣は本来は自然に変化を遂げて行くものですが、時に政治的思惑によって強引に変えられる場合もあります。常用漢字に見られる漢字の使用制限についても言えることですが、第二次世界戦後の国語改革というものが、それが良いか悪いかは別として、事実上の占領国だったアメリカ合衆国の意向を少なからず反映していることは否めません。