アメリカはプエルトリコを植民地にしています。したがってアメリカは先進国の中で、植民地を持っている数少ない国の一つです。植民地ですので、プエルトリコ人は大統領選挙の選挙権も立候補権も持っていません。プエルトリコ人には独立を目指す派と、州に昇格して参政権を手に入れることを目指す派がともに存在していますが、もし、独立派が実動を起こしたら、中国に引けを取らない弾圧をすることは、目に見えています。
1989年のパナマ侵攻で、アメリカ軍がノリエガ政権を直接倒したのは、形式はどうあれ、当時アメリカがパナマを実質的な植民地と看做していた好例です。侵攻作戦は麻薬撲滅を掲げて行われたが、実際の理由は1999年に米国がパナマへ返還しなければならないパナマ運河に関する交渉を有利に進めるためだったとも考えられています。ことほど左様に、アメリカは自国の国益に反すると考えた場合、手段を選ばず、独立国、植民地に限らず、自国の利益を優先させます。
昨年のYouTubeのビデオで話題になったことをご存知だと思いますが、フロリダ大学で前大統領選挙候補のケリー上院議員が講演したとき、その会場での質疑応答で、彼に都合の悪い質問をしたというだけで、大学警察官が、物理的な抵抗を何もしていないジャーナリスト学科の学生に5万ボルトのテイザーガンをぶち込んでいました。その後、大手メディアはそのことについてほとんど話題にせず、この国では言論の自由も糞もあったものではないという印象を強く受けました。そのような国で独立運動を始めたら、何が起こるか想像がつくでしょう。