聖徳太子の実在論について

質問

聖徳太子の実在論が議論されていますが、いたのではないでしょうか。「日出処天子」の国書が有名ですが、中国の歴代王朝は華夷思想と冊封思想に支配されており、（１１世紀の宋と遼の講和条件における宋の屈辱感などはその一例です。）そのような国書を認めるとは考えがたいからです。（小野妹子は裴世清を伴い帰国した）ということは６世紀末の日本列島に大陸情勢や文化に精通した、自らを「日出処天子」と認めさせる力量を持つ優れた指導者の存在を推定させるものであり、後代「聖徳太子」と尊称される人物の実在の傍証となるのではないでしょうか？十七条憲法や冠位十二階は仏教を含む中国文化全体の深い理解の持ち主だったことを想像させるものであり、隋王朝成立直前の混乱期（北斉・北周など）における亡命者だった可能性もあるのではないでしょうか。

回答No.1

tyr134 · ベストアンサー

「聖徳太子は実在したか？」は、今、日本史の学会でもっともホットな論争の一つですね。
「実在派」「虚偽説派」ともに、自分の「仮説」が正しいことを証明しようと頑張っている、というのが現実ですね。

ただ、日本の場合は7世紀以前の「文章記録(史料)」が無いので、中国の史料なんかと付き合わせながら、考古学的な手法も取り入れつつ研究しなければなりません。(日本古代は暗黒時代と言われる所以)
この「文章記録の欠如」というのが、日本の古代史にとって非常に大きな壁となって立ちはだかっています。
今後、新史料が発見されたり考古学的なデータの蓄積・分析や新たな技法の開発を待つと言うことになるかと思います。

素人としては、賛成派・反対派の説を吟味して自分が信じたい方を選ぶ事でしょうか。
ただし、盲信してはいけません。盲信しては「とんでも説」に触れて火傷する事もありますので。
まぁ、(サッカーや野球の試合みたいに)どちらか応援するチームを選んで、応援しながら論争を愉しんでみてはいかがでしょうか？

一応、両方の説の代表選手的な歴史家を紹介しておきます。

・大山 誠一
聖徳太子の「虚構説派」代表。彼の論文がマスコミに取り上げられたことで、一気に火がついたとも言われています。
彼以前にも、「虚構説」はありましたが、今ほど盛り上がってはいませんでしたね。著作は『聖徳太子と日本人』(風媒社)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B1%B1%E8%AA%A0%E4%B8%80

・遠山美都男
大山氏の説に異を唱える歴史学者の一人です。
著作は『聖徳太子はなぜ天皇になれなかったのか』(角川書店)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A0%E5%B1%B1%E7%BE%8E%E9%83%BD%E7%94%B7

お礼

ありがとうございます。