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統合失調症で入院中の暴力は…
統合失調症で約40年間入院している兄がいます。障害基年金1級を受給していています。 その兄が、些細な事で他の入院患者の方と喧嘩になり、仲裁に入った看護士さんを素手で殴って骨折させてしまいました。 病院から「この行為は精神疾患に起因する暴力ではない」ので、治療費・休業補償・慰謝料を払ってもらいます。と連絡がありました。 この場合、当方に支払い義務はあるのでしょうか? 当然病院側はこのような事が起きうる事は予想できるし、予想して対応しなければならないのではないのでしょうか? しかもこの事を理由に退院させられる事になってしまい、非常に困っています。
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- ken200707
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民法に以下の規定があります。 第七百十三条 精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。 よって、“この行為は精神疾患に起因”が問題になります。 疾患により、“弁識する能力を欠く”状態であれば、賠償責任は負いませんが、病院側は“弁識する能力を欠”いていないから、賠償を要求しています。従って、賠償義務を免れようとすると、兄(及び質問者)は第七百十三条における“弁識する能力を欠く”ことを証明する必要があります。 “このような事が起きうる事は予想”については、本暴力行為が疾病に起因し、かつ、現在の医学レベルに基づいてそれが当然に予測できるのであれば、それを回避する義務が存在します。 民法第七百十四条 (責任無能力者の監督義務者等の責任) 前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。 の、前段では全期前提が成立する場合(回避義務がある)は、監督者(病院)が責任を負うことになりますが、ただし書き以下では、回避義務が無かった場合やそれを尽くした場合は賠償義務がないとなっています。 “予想して対応しなければならない”事を主張するのであれば、当該暴力行為が病気に起因し、かつ病院側がそれを予測でき、その上で、必要な回避義務を果たしていなかったことを証明する必要があるでしょう。 なお、“当方”については、“兄”が禁治産者(旧法)、被成年後見人などの制度が適用されている場合はその“監督義務者”に質問者等が指定されていない限り、損害賠償義務を負うのは“兄”だけです。
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