電気化学に詳しい方からコメントが出るだろうと思います。
それまでのつなぎです。
イオン性物質の電気伝導の場合、「イオンがキャリアーであり、そのキャリアーの運動が促進されることで伝導度が上がる」というイメージにはかなりの「?」がつくと思います。
イオンが端から端まで動いて電気を運ぶというイメージでしょうか。それなら熱運動で乱されてしまって伝導度が下がるという解釈も成り立ちます。+のイオン、-のイオンが互いに無関係にすり抜けて反対符号の電極まで移動するというモデルの図をよく見ますが本当でしょうか。外部電源の作る電場から受ける力よりも近くの反対符号のイオンから受ける力の方が圧倒的に大きいのですから複雑な動きをしているイオンの海の中では外部電源の電場はほとんど意味を持ちません。影響が強く出るのは電極の極く近くだけです。
直流と交流とで伝導の仕組みが異なります。どちらの場合を想定しておられますか。
直流の場合について書きます。
イオンによる伝導は電極表面での電子のやり取りのよって生じる酸化・還元反応によって決まります。いくらイオンが動いても電極との間の電子のやり取りがなければ分極は起こりますが電流は流れません。化学反応の速さは一般に温度が上がれば大きくなります。反応が起これば電極付近の物質の濃度が変わります。反応材料の濃度が減り、生成物の濃度が増えます。この濃度変化を物資移動によりもとの状態に戻してやる必要があります。これは主に濃度勾配が原因の拡散により行われます。温度が高くなると拡散速度も大きくなります。
外部から電圧を加えて化学反応を起こすのですから電気分解と同じです。流れた電気量と反応によって生じた物質の量とはファラデーの法則で結び付けられています。
反応が起こるためにはある限界以上の電圧が必要です。食塩水でもただ電圧をかけただけでは電流は流れません。電解の起こる電圧以上の電圧が必要です。その値以下の電圧であれば絶縁体と同じです。
交流の場合
直流では反応が起こらなければ電流が流れませんが交流では反応が起こらなくても電流が流れます。電解電圧以下の電圧でも電流が流れます。
ゆすってやるだけでいいのです。イオンが動きやすくなっていれば電圧が変動したときにその変動にイオンがついていくのも楽になるでしょう。
2枚の電極の間に物質があるというのですからコンデンサーの場合と同じだと考えられます。極板の間が真空でも交流電流は流れるのですから物質があっても流れます。反応が起これば絶縁が破れたことになりかえって困った事になります。
交流では電圧が高いときと低いときで起こることが異なることになります。
お礼
参考になります。有難うございました。