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酸化アルミニウムの電子伝導性について知りたい
- 酸化アルミニウムが高温で電気伝導性を示すということに興味があります。電子伝導性とはどのように識別するのか、光沢は出てくるのか、メカニズムについて知りたいです。
- 酸化アルミニウムの電子伝導性とは、高温で電気伝導性を示す性質のことです。電子伝導性とイオン伝導性の識別方法や、電子伝導性の場合に金属のような光沢が出てくるのか、メカニズムについて知りたいです。
- 酸化アルミニウムの電子伝導性について教えてください。電子伝導性とイオン伝導性の識別方法、酸化アルミニウムの電子伝導性によって光沢が出てくるかどうか、メカニズムについて知りたいです。
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酸化物融体というのは早い話が溶融塩ですね。 陽イオンと、陰イオンとしての酸化物イオン(O^2-)が入っていて、液体ですのでイオン伝導性はかなり高い状態です。 補足ですが、 両極間の電位差は溶存酸素活量の差及び酸化物イオン活量の差から生じます。融体表面の酸素活量を変えたときには起電力が生じますが、酸化物イオン活量は変化せず酸素活量のみが両極間で差ができると考えています。 絶縁体を被せずに電極を底に入れると、酸素活量変化時にすぐに起電力の低下が生じました。これは融体表面のリード部での反応が寄与しているためです。サファイアを被せた場合にはその低下に少し時間がかかるという状態です。 石英ガラスで何も起きないと書いたのは正しくなく、起電力が発生しそれが長時間経たないと低下しないという状態です。サファイアの場合にはすぐに起電力の低下が始まりました。 いろいろと考えたのですが、これはアルミナの電子伝導性のためであると結論付けました。もし他の妥当な解釈があれば是非知りたいです。
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- toboke
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わかりにくくて申し訳ありません。 No4をよく読めばおわかりいただけるかと思いますが、液体である溶融塩の中に固体のアルミナや石英を漬けたわけです。(そのチューブの内部に白金線リードが通っています) 高温での固体アルミナのイオン伝導性はどれだけあるかわかりませんが(おそらくは低いものと思われますが)、この実験ではわからないと考えています。
- toboke
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ht1914さんは詳しい方のようですので、ちょっと難しいですが説明したいと思います。簡単に説明するのは難しいです。 酸化物融体中の酸素の拡散を測っていたときです。正確にはちょっと違うのですが原理を説明します。融体の表面と内部に白金電極を入れ、酸素活量差を測っておりました。両電極表面では O_2 ←→ 2O^2- + 4e という電極反応が考えられ、溶存酸素ガスO2の活量差が起電力となって測定されます。酸化物融体なのでO^2-は一定と考え、またO^2-及び陽イオンのイオン伝導はかなり自由に起こると考えています。 融体の上の空気を窒素に変えると(又はその逆)、融体表面の酸素活量が変わり、起電力が生じます。長時間置くと溶存酸素ガスの拡散によって活量が近づいてきて起電力が小さくなるわけです。 この場合、融体内に入れる電極はリード部が融体表面を通るわけですから、表面付近の酸素活量変化の影響を受けないようにリード部を絶縁体で覆ってやる必要があるわけです。 前ふりが長くなりました。 この絶縁体として石英ガラスを用いたときには何も起きないですが、サファイアを用いたときには空気を窒素に変えると1分もしないうちに起電力変化が始まりました。 で、これはサファイアの電子伝導によるものではないかと考えたわけです。サファイア-融体-空気界面での酸素活量変化を拾ったのではないかというわけです。導電率はかなり低いとは思われます。 イオン伝導の方は融体内がスカスカに通るはずなので関係ないと考えています。 なお、この現象は安定化ジルコニアでも起き、これも電子伝導によるものかと考えています。
お礼
ていねいに説明して頂いて有難うございます。難しい内容ですね。 (1)「酸化物融体」という言葉が出てきています。これはどんな状態なんでしょうか。融点より低い温度でいくらか液体的な振る舞いをする状態なんでしょうか。 (2) >イオン伝導の方は融体内がスカスカに通るはずなので関係ないと考えています。 「融体内がスカスカに通る」とはどういう事なんでしょうか。
- anthracene
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半導体の伝導機構だとすれば、ご指摘のとおり温度をあげればあがるはずです。伝導電子が増えますから。 イオン機構だとどうなのでしょう?私は固体電解質には詳しくないので分かりませんが。 tobokeさんご本人か、別の物性論にお詳しい方のご登場をお願いしたいところです。
- anthracene
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ついでですが、ためしに計算してみました。 ダイヤモンドと同じくらいのバンドギャップ(5エレクトロンボルト)があった場合、どれくらいの伝導電子が生じるか?を適当にボルツマン分布で計算してみたところ、ものすごく少ない値が(笑。当たり前ですが。 1200度あたりで、価電子帯から励起される電子の割合は1:10^-19~18くらいというめちゃくちゃな少なさです。 アルミナのバンドギャップが載っていないので、ドンなもんか分かりませんが、仮にも一般的には絶縁体として知られている以上、これより小さな伝導度なのではないかな、と思います。
お礼
計算までしていただいて有難うございます。 anthreceneさまでもあまりはっきりしたことはわからないようですね。私はまったく分からなくてお礼や補足をどう表していいのか困っています。 半導体的な伝導ということですが1200℃を1500℃ぐらいにするとどうなるのでしょう。伝導度が上がるんでしょうね。
- anthracene
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tobokeさんではないのですが、これは半導体の性質が出たと言うことでしょうか?私もアルミナのバンドギャップなんて知らないので、これくらいの温度で熱励起されるか分かりませんが。 半導体として振舞っているのなら、金属のように自由電子が充満しているわけではないでしょうから、メタリックラスターは出ないと思います。十分に電子がいれば光沢が出るかもしれませんが(単結晶シリコンみたく)、ここまで加熱しないといかないのなら、伝導電子はそんなにいないのでは。 電子伝導とイオン伝導だと、電気を伝えるものの移動のしやすさに差がありますから、そこから情報が得られると思います。 私も正確なところを忘れましたが、交流をかけてそれに対する応答を見るんだったような。
補足
>酸化物融体というのは早い話が溶融塩ですね。 陽イオンと、陰イオンとしての酸化物イオン(O^2-)が入っていて、液体ですのでイオン伝導性はかなり高い状態です。 なんだか分からなくなりました。 アルミナの融点は2050℃です。1200℃ということでしたので固体での伝導現象だと思いました。anthracene様もそのように解釈して半導体的ではないかという解答を寄せて頂きました。でもこの温度で既に溶融状態になっておりイオン伝導が充分にあるということです。電子伝導というのはこのイオン伝導に重なってさらに現れるという観察なんですね。 1200℃で融解状態が実現するのでしょうか。