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野球選手パウエルの二重契約
外人選手パウエルがオリックス、ソフトバンクの2球団と二重契約を結んだようです。「パ・リーグの当初の見解ではどちらの契約も有効」と報道されていました。 その後、パ・リーグの新たな裁定で、パウエルは結局ソフトバンクに入団することになりそうです。その場合、オリックスがパウエルを債務不履行で訴えれば確実に勝訴できると思われますが、「オリックスがパウエルに請求し、損害賠償額として認められる金額」はどの程度になるでしょう? 私見では、 「オリックスが提示した年俸が約5千万円、ソフトバンクが提示した年俸が約1億円」 とのことで、 「パウエルが二重契約を結び、オリックスとの契約を一方的に破棄したことで、オリックスは5千万円相当の戦力を失い、同一リーグのライバル球団であるソフトバンクは5千万円相当(オリックス評価)の戦力を獲得した。オリックスの損害は計1億円。パウエルに支払わない5千万円を控除して損害賠償額は5千万円」 となるかな、と考えます。
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- ok2007
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補足的にコメントすれば、アメリカでも日本でも契約締結に至るまでの交渉段階というのが存在するところ、その段階でアメリカでは、レター・オブ・インテントという、契約締結までに必要な事項等を整理した文書を取り交わすのが一般的です。 また、日本球団が外国人選手と契約を締結する際には、英文契約書が正式契約書(ないし解釈の際に優先される契約書)となる慣行があるそうです。 このような背景と、パウエルに対するオリックス球団の説明(パウエルの証言によるもの)、契約額が空欄であった事実などを鑑みれば、パウエルが統一契約書にサインをした際に、それによって契約が成立するとは考えなかったという彼の主張も、法的評価に値します。 加えて、本件には日本法が適用されるものと考えられるところ、日本法では、契約当事者の意思の合致が無い場合には、契約が成立しないものとされています。パウエルは、意思の合致が無かったことを主張しているのですから、日本法下でも通りうる主張です。 それから、「こういう問題では『損する人』の言い分を聞くべきと考えます」とのことですが、これは、個人的意見であれば格別(その場合には別の問題が生じます)、そうでなければ、実務では通用しない話です。 実務では、「それを主張して利益を得られる人(ないし損失を免れる人)」の話を聞き、相手の反論も聞き、先の人の話が信用できそうであればその話を採用、先の人の話があいまいでよく分からないかまたは信用できそうにないかのいずれかであれば採用せず、という考え方をします。 今回の場合、仮に二重契約が認められればそれによって利益を得ないし損失を免れるのはオリックスですから、オリックスの主張が信用できそうであれば二重契約が認められ、そうでなければ二重契約にはなりません。 他方、仮に二重契約が認められなければそれによって利益を得ないし損失を免れるのはソフトバンクですから、ソフトバンクの主張が信用できそうであれば二重契約が認められず、そうでなければ二重契約だということになります。 結局、今回の場合には、いずれの話がより信用できそうか、ということで決着することになります。 なお、「こういう問題では『損する人』の言い分を聞くべき」というのが個人的意見である場合には、この掲示板で禁止されている「議論目的」の投稿とみなされ、その部分ないしスレッド全体が削除対象になるおそれがあります。
- popesyu
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>「契約する意思はなかったが、オリックスに言われたので契約書にサインしてFAXした」などと言う抗弁 はしていませんよ。まだ正式な契約ではないという認識だったと言っています。 実際にオリックスも仮契約の段階という認識をしているようなので、それなら仮契約の一方的な破棄という問題になりますし、仮契約の段階での罰則や違法性についてとなります。 そして契約社会に揉まれているアメリカ人であればこそ、これは正式契約ではないと気軽にサインをしたとも言えるのではないでしょうか。また気軽にサインできるほどの縛りしかない仮契約であれば、破棄の際の罰則もたかが知れているものになるのではと。 お礼文については、どこまで本気で言っているのか分からなくなってきましたが。 例えば何でもよいですが、ある研究者なりデザイナーなり著作権保有者がA社と仮契約の段階までいってにも関わらずB社にかっさらわれたと。その結果、B社の製品が売れてA社のシェアが10%奪われた。そのケースでもこの10%分を補填しなければならないとそういうことを仰りたいんですよね? もしこれが通るなら思ったよりもその製品が売れずに逆になった場合は、今度はB社がA社に要求しても良いのでしょうか? それは行き過ぎだとしても、その時点で確定していないものを決定されたものとして要求しても良いということなんですよね? 裁判所はどう判断するでしょうかとのお尋ねですが、もう一度確認しますが「判例なり似たような事例なりで、そのような計算方式が採用された例があるのでしょうか」。巨人の例がそれに値するということではまさかないですよね。 もちろん仮契約でも一方的に商慣習的に普通ではない形で破棄するのであれば、これはある程度の罰則はあってしかるべきだと思いますが、その場合の計算でその損害は上の例ならその人を雇うものとした前提で準備していた部分で、それが無駄になったり、あるいは急遽体制を変えなければならなくなって、通常の方法よりも無駄にかかった部分という事例であれば多数聞いています。
- popesyu
- ベストアンサー率36% (1782/4883)
>事実関係は争う余地がないと思われます。 本人の弁によればここで争っていますよ。争う余地がないのは両球団それぞれが用意した統一契約書にサインをしたという点です。 食い違いが出ている点は、パウエル側は合意寸前だった、拒否することを伝えた。オリックス側は契約成立していた、拒否の話は聞いていないという所です。 まず統一契約書にサインを入れたことで契約が成立したことになるのかどうかが論点になるのでしょう。 本人は「メディカルチェックの後に正式な契約を結ぶ予定だったが、オリックスが契約内容を自分たちに有利に変えようとした。」と言っています。さらに統一契約書は「あくまでビザ取得を早めるためのもの」とオリックスから説明を受けたという理解だったと主張しています。つまり本人はまだ正式契約ではなかったという認識だったようですし、これは球団側も同様で、契約内容を変更するということはまだ正式契約直前との認識であったのではないでしょうか。 http://kyushu.yomiuri.co.jp/sports/hawks/hw_08020551.htm?from=top さらに代理人の弁によればオリックスの統一契約書には年俸が入っていなかったとのことですし、もしそれが事実ならこれをもって正式契約と主張するのは難しいでしょう。もしそれが通るならパウエルの言い値で数字を書いても通ってしまいますよ。 http://kyushu.yomiuri.co.jp/sports/hawks/hw_08020101.htm ただしどう贔屓目にみても本契約の直前・寸前までいっていたのをソフトバンクが横から掻っ攫っていったというのは、これは争う余地がないとは思います。そしてそれはマナー違反だったりもするのでしょう。 こういった状況ではまず確実に勝訴するという前提が覆ると思いますが、仮にオリックス側の言い分通りだったとした場合は契約書の内容に罰則規定があれば損害賠償はその通りの金額が認められることでしょう。ないのであれば(というかそうなるとそれは正式な契約書なのかという話も出てきますがそれは無視して)、1番さんがご指摘のように土壇場で破棄されたことで通常よりも余計に無駄にかかった費用の実費だったり、想定していた利益だったりが積算根拠として示される性質のもので、ソフトバンクの契約金云々を元にした計算は全く理解できません。別の身近な例に置き換えて考えてみようとしましたが、そのような例は想定できません。判例なり似たような事例なりで、そのような計算方式が採用された例があるのでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございます。 「1番さんがご指摘のように土壇場で破棄されたことで通常よりも余計に無駄にかかった費用の実費だったり、想定していた利益だったりが積算根拠として示される性質のもので、ソフトバンクの契約金云々を元にした計算は全く理解できません。別の身近な例に置き換えて考えてみようとしましたが、そのような例は想定できません。判例なり似たような事例なりで、そのような計算方式が採用された例があるのでしょうか」 例えば、パウエルがオリックスとの契約を破棄してアメリカ球界に転じた、ということであれば話は別です。オリックスの損害は限られたものなるでしょう。 ところが、パウエルが日本球界の別な球団と契約した以上、オリックスから見れば 「パウエルが契約を遵守していれば自球団にいたはずなのに、他球団でプレーしている」 状況となります。 昔、南海のエースだった別所を、ライバル球団の巨人が引き抜いたことがありました。この時 「ライバル球団のエースを引き抜けば、仮に別所が一試合も登板しなくても巨人にとってはプラス、南海にはマイナス」 と巨人関係者が放言したと聞きます。これに類した話は他にも聞きます。 パウエルがオリックス、ソフトバンクと二重契約を結んでいたと裁判所が認定すると言う前提で、果たして裁判所が 「パウエルがオリックスとの契約を破棄してソフトバンクに入団したことによるオリックスの損害」 が 「パウエルがオリックスとの契約を破棄して米国球界に移ったことによるオリックスの損害」 とイコールであると判断するでしょうか。
補足
新聞報道によりますと、パウエルがオリックスに自らがサインした契約書をFAXしたのは http://sankei.jp.msn.com/sports/baseball/080206/bbl0802061208006-n1.htm 「パウエルによると、オリックス側とは1月上旬に交渉。オリックスからパ・リーグに提出されたサイン入りの契約書とされる書面は、「ビザを早く取得するためのものだといわれ、ファクスで送り返した」と主張した」 パウエルは、アメリカで人間です。 「契約する意思はなかったが、オリックスに言われたので契約書にサインしてFAXした」 などと言う抗弁が通用すると思ってはいないでしょう。 こういう問題では「損する人」の言い分を聞くべきと考えますが、オリックスの言い分はhttp://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/news/20080129-OYT1T00359.htm 「これに対して、オリックスの中村勝広球団本部長は、パウエル本人のサインの入った統一契約書を22日にファクスで受け取り、仮契約が結ばれたという認識を持ったと説明した。英文による契約書などは、身体検査を終えてから結ぶ予定だった。選手の意思確認をするうえで、契約書はファクスでも効力を持つ。オリックスはパウエルの代理人にも連絡、「法的手段も辞さない」と伝え、パ・リーグにも異議を申し立てた」 となっております。 ただ、本日(2月6日)現在では、オリックス球団がパウエル相手に法的措置を取るという展開には至っていないようです。
- yakyutuku
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すいません、私の書き方が悪かったです。私が触れたのは二重契約問題が起きる前、オリックスがパウエルを獲得という報道が出た時の話です。この時点で当初「メディカルチェックがすんだ上で正式契約を結ぶ」といった報道があったように思います。 これが事実であり、この旨文書でやり取りがなされていたのなら、メディカルチェックが結ばれるまで、契約は成立していないと考えるのが自然だということです。両者が「メディカルチェックがすんだ上で正式契約」という認識があり、オリックス側がビザ取得のため統一契約書(のコピー)にサインを求めそれに応じたとしても、それをもって正式契約と直ちに認められるかは、裁判してみないとわからないということです。 オリックス側としては、パウエルがサインを提出したら、メディカルチェックでオリックスが拒否する権利はあっても、パウエルは条件に合意したのだから拒否する権利はないと主張するでしょうが、通常労働契約でそういった労働者に一方的に不利な先物買的契約は認められないでしょう。その辺の事情をコミッショナー(代行)がパウエル側から聴取した結果ソフトバンクの優先権を認めたのではないでしょうか? 彼は野球界出身ではなく弁護士出身で、法的観点は熟知しているはずです。それに報道とパウエル側との説明を照らし合わせても矛盾点はありませんし、ソフトバンク側も他の外国人獲得ができなくなるというリスクを負って獲得に動いたわけです。個人的観測ですが、オリックスとの契約成立には疑問点が残るのでしょう。逆にオリックス側との契約に100%疑問点がないのであれば、いくらなんでも「ソフトバンクの勝ちと認める」ことはできないのではないでしょうか?
- yakyutuku
- ベストアンサー率14% (267/1890)
契約を一方的に破棄して、ライバル企業と契約したからといって、ライバル企業の得た利益を損害として請求が認められたケースはありません。その理屈はまず不可能かと思います。そしてもしパウエルの価値を5千万と換算するなら、オリックスの損失はパウエルを使えなかった5千万、逆に払わずにすんだ額が5千万ですので、差し引きゼロとなり、損害無しとなります。 もし「パウエルが二重契約を結び、オリックスとの契約を一方的に破棄した」として損害賠償請求が認められるなら、その積算根拠は例えば、パウエルに代わる外国人選手を急遽確保したためかかった費用であるとか、パウエルがいなかったために成績が低下して失った利益等になります。ただパウエルいれば六位、いなくても六位となると、まともに損害が認められるかも疑問です。 詳しい内容はわかりませんが、オリックス入団を報道された時点で、メディカルチェックがすんだ上で正式契約を結ぶといった報道ではなかったでしょうか?球界内での処理ならともかく法廷闘争となると、オリックスとの契約が成立していたかどうかも、激しく疑々が残ると思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 「詳しい内容はわかりませんが、オリックス入団を報道された時点で、メディカルチェックがすんだ上で正式契約を結ぶといった報道ではなかったでしょうか?球界内での処理ならともかく法廷闘争となると、オリックスとの契約が成立していたかどうかも、激しく疑々が残ると思います」 についてですが、私が新聞を読んだ記憶では 「パウエルは、オリックスに対してもソフトバンクに対しても同一の『NPB作成の統一契約書』にサインしていた。違いは、オリックスが持っているのはパウエルがサインしてFAXしたもの、ソフトバンクが持っているのはパウエルがサインした原紙」 であったと記憶します。 もちろん私は契約書を見ておりませんが 「パウエルはオリックスと契約を結び、その後でソフトバンクと新たに契約を結んだ」 事実関係は争う余地がないと思われます。 当初「オリックスの契約書もソフトバンクの契約書も有効。両者で協議してくれ」と言っていたパ・リーグ当局が「ソフトバンクの勝ちと認める」と態度を変えた理由は新聞報道からは私には理解できません。
お礼
ご回答ありがとうございました。