●なぜ広告を出稿するのか......
企業が考えること、企業が一般社会や消費者に伝えたいこと、これらはすべてなんらかの方法で強力に表明しなくては伝わりません。その方法はいろいろ、テレビやラジオ、紙媒体の広告といったマスコミの活用からチラシやDM(ダイレクトメール)、展示会への出展、電話攻勢などといったいろいろな方法も、そして時には「クチコミ」といった方法まで.......。
このようにいろいろあるアピールの手段の中でも比較的一般的なのが雑誌や新聞といった紙媒体へ掲載する広告です。相手の目と耳に同時にアピールできるテレビはさすがに効果的なメディア(媒体)なんだけれど、それだけにコストが高いし、ラジオは相手の聞く気になった耳だけが頼り。その点広告は目が頼りの方法だけれど「百聞は一見にしかず.....」と言うぐらいで、つい見てしまう程度でも目から入る情報はけっこう効果があるものです。
当然のことながら出版部数が多い有名媒体ほど広告出稿料は高くなるけれど、もちろんそれなりの効果も期待できるし、さらに、できればテレビやラジオなど他のメディアと合わせて紙媒体の広告も打つ(出稿する)というのが本当は一番効果的とは言われているのです。とまあ、ここまでがクライアントも広告代理店も制作スタッフも共通の認識として持っている広告出稿の基本的な考え方。
●どういう流れで計画されるのか.......
#1さんが詳しくお答になっていますが、企業PRや商品のPR、はたまたリクルート向けの企業イメージ広告から、時にはお詫び広告まで、企業の内部ではこうした「表明」の必要性が何度も生じるし、その都度この問題が会議などの席上で取り上げられるようになります。
こうした、「なにかを宣伝のかたちで広く一般にアピールしたい、だが何を使って......」、ここで問題になるのが「幾らなら支出できるか」ということ。会社の規模、年商、利益率、知名度、あるいは景気の動向や先行き、そして広告出稿にかかる費用と、それによって期待できる効果。こうしたことが検討の俎上に上ります。そしておおまかに「幾らなら出せる」という答が出たら、ここで広告代理店が呼ばれることになります。
●出稿規模を煮詰める........
営業部や広報部、あるいは宣伝部といった企業の関係部署のスタッフから計画の概略、希望や期待、予算などについてのオリエンテーションを受けた広告代理店のスタッフは宣伝のプロの立場からさらに検討を加えます。
こうした検討の結果、テレビは効果があるだろうがやはり今回の予算ではコストが見合わない....などといった結論とともに、「今回は一般消費者への生活商品のPRが目的ですから(ここが大切)ここはひとつ週刊誌の広告で行きましょう、出稿媒体は対象消費者によく読まれている週刊○○と○○ウイークリーにしましょう。出稿回数は月に1回、ただしスペースはちょっと値段が張りますが表4(裏表紙)の4色(カラー)にしましょう。なにしろここならメチャ目立ちますからね。出稿費は1媒体1回○百万円で、このほかに制作費は○○万円ぐらい、流用料は別途」といったアドバイスを企業側にすることになります。
この際に制作スタッフが作った数案のデザインが、企業側の「決定!」の言葉を誘うかのような魅力的なプレゼとして提示されるのが通常です。
ですが、企業側では、「う~ん、そりゃもちろん良さそうだが、なんと言ってもコストが高過ぎる、それよりも人気の連載小説のページにタテ3(週刊誌の場合ページの左右に用意されるタテ1/3の幅の広告スペース)を毎週出稿という線ではどうかな、同じ効果でだいぶ安くなるだろう」と......。「分りました、それならいっそ『門構え(左右ページに同時に出稿すること)』にしたらいかがですか、コスト内で行けるし効果も大きいですから」と広告代理店、こんな調子でスペースとコスト、そして効果の予測といったことで何回も何回も擦り合わせが行われます。
●コンセプトの整理と表現の検討.......
こうしてまずスペースと印刷色数と出稿回数と、そしてコストが決まります。次ぎは「いかに効果的な表現でアピールするか」です。企業側が一般消費者に何を訴えたいのか....、商品だけ、それとも商品を通じた企業イメージ????、その願いを最もストレートに表現できるフレーズとは何か.....、どう言えばそれが伝わるのか....、どんなデザインやレイアウトにすれば一般の目に止まるのか....」、これが制作スタッフの腕の見せどころとなります。
目立つデザインも必要ですし、時にはアッと驚かせるような表現とかユーモラスで面白いものも必要でしょう。ですが、同時に、多くの場合企業はCIの考え方を重視します。CIとはコーポレイト・アイデンティフィケーションの略ですが、簡単に言うと企業が外に表すすべてのものを統一した姿にして企業の持つイメージをより強くアピールしようという考え方です。ロゴマークやロゴタイプの使い方や指定色、こうしたものがルールとして定められています。広告もまたそうしたCIの考え方やルールに沿って制作されなくてはなりません。
●こうして出来上がる広告原稿........
こうした諸々のことを勘案しながら幾案も幾案も練りに練り、キャッチフレーズも文字ひとつ、送り仮名ひとつにこだわりながら、企業側のスタッフも広告代理店の営業マンも、そして制作スタッフも一様に汗をかき、ネクタイを緩め、コーヒーの紙カップが山になり、女性スタッフの髪の毛がタバコ臭くなり、一様にドッと疲れが出たころに「出来た!、これで行こう」と原稿が完成するということになります。
こんなところでいいですか.........
お礼
非常に詳しくありがとうございました。広告の効果についてなんとなくわかりました。あと留意点、大変さ、他・・・ありがとうございます。