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目の粘膜からもウィルス感染する?
マスクで気管からのウィルス感染を予防するというのは分かるのですが、目の粘膜も気管の粘膜と同じだと考えてよいのでしょうか? その場合メガネをすることで感染を抑える効果は望めるのでしょうか? また、目薬や洗眼薬で目を洗浄することは感染を抑えることができますか? お願いします。
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獣医師です。ウイルスに専門知識を有する者です。 「ウイルスの感染には条件がある」とか「ウイルスによって違う」というのは、すなわち「ウイルスがどこで増殖するか」という問題なのです。 ウイルス性結膜炎のような「目から感染して目で増殖する」ようなウイルスは目の粘膜から感染するのは当然なので説明は省きます。質問されているのは「一般的な感染経路としての眼粘膜の重要性」ということだと思われますので。 例えばノロウイルスが例に挙がっていますが、「経口から消化管を通じて感染する」という表現は些細なようですが重大な誤りです。試験の答案だったら先生によっては0点です。 正しくは「口を通じて(経口)消化管に感染する」です。 重要なのは「そのウイルスがどの器官に感染して増殖するか」なのです。 ノロウイルスの場合、感染臓器すなわち増殖部位は「腸管粘膜」です。 つまり、眼粘膜からウイルスが侵入することは可能でしょうが、そこから腸管に到達するルートがないわけです。従って、結果として感染は成立しない、ということです。 インフルエンザも同様です。 インフルエンザウイルスは上部気道(咽喉頭や気管支)に感染するウイルスです。従って、眼粘膜経由で侵入しても、上部気道に到達できませんから、結果として感染は成立しません。 これがHIVや肝炎ウイルスとなると事情が変わってきます。 HIVは白血球が感染細胞ですし、肝炎ウイルスは肝臓が感染臓器です。つまりこれらはウイルスが血中に侵入した時点で感染が成立するかその条件が整うわけです。 なのでこれらのウイルスの場合は、眼粘膜からも感染が成立するというわけです。 ただし、このような血液感染するウイルスは、空気中にエアロゾルの形で多量のウイルスが存在するという状況が非常にレアになります。 空気中にエアロゾルの形で存在しやすいのは、なんといっても呼吸器系のウイルスですよね。上部気道で増殖されれば、そのまま排出されればいいわけですから。 HIVや肝炎患者の場合、彼らが派手に血煙をあげるくらいの流血をすれば、空気中にウイルスがエアロゾルの形で存在することになるでしょうが(本人は即死でしょうが)、そうでない限りは、患者の血液を直接目に浴びるようなことでもなければ眼粘膜からの感染はあり得ないわけです。 ただし。 インフルエンザウイルスは「絶対に」上部気道にしか感染できない、というわけでもありませんし、ノロウイルスも「絶対に」腸管粘膜にしか感染できない、というわけではありません。 極めて多量のウイルスが侵入した場合、眼粘膜に感染が成立して発症する、ということもあり得ます。 ノロウイルスは報告はないようですが、吐瀉物が多量に直接目に入るような事態が起きれば(普通起きないでしょうが)、何かが起きる可能性はゼロではないです。 インフルエンザは、特に病原性が強い株の場合は眼粘膜からそのまま脳に移行してインフルエンザ脳症を起こすこともあり得ないことではないでしょうね。 その前に結膜炎を起こすことは比較的よくあるようですが。 細菌の場合は、基本的に条件(温度や湿度、ph及び栄養素など)さえ揃えば、どこででも増殖するので、基本的に「眼粘膜に対する感染はある」ということで良いと思います。 ただ、結局これも「エアロゾルの状態になるか」どうかが眼粘膜に対する感染のリスクを決めるわけです。 なお、マスクは物理的にウイルスの侵入を阻止する上で非常に効果があります。 まあ確かに、ウイルス粒子よりマスクの生地の目の方が圧倒的に大きいのですが、エアロゾル中のウイルスは「ウイルス粒子単独」で存在しているわけではなく、飛沫中に守られて存在していますので、飛沫を引っかけることができればOKなわけです。引っかかっている間に湿気や熱で速やかに不活化されますし。 眼粘膜に対する感染の防御は、ただの眼鏡でもないよりは圧倒的にマシです(正面から飛んでくるエアロゾルは遮断できる)が、リスキーな場面ではやはりゴーグルくらいでないと役には立たないでしょう。 でも、日常生活の範囲内で目からの感染を心配しなければならないような事態はあまりない、ということは理解して頂けると思います。むしろ「ウイルスが付着した手で目をこする」という感染経路は多いでしょうが、それは手洗いで阻止できますから。 最後に「発症にも条件がある」という点ですが、インフルエンザにしろノロにしろ、発症とその時の健康状態は必ずしも一致しません。体調が極めて良い絶好調なヒトが突然ノロやインフルエンザで倒れるのは経験がある方も多いでしょうし、周囲でも日常的に起きていると思います。 まあ、身体には抵抗力や免疫という「ウイルスと戦う力」がありますが、それらをかいくぐる戦術を身に付けたウイルスが生き残っているわけですし、進化の速度はウイルスの方が何百万倍も速いですから、免疫力や抵抗力はそれほど頼りにはならないことが多いです。 ま、町内会の自警団をどれだけ強化しても、軍隊に攻めてこられたらどうにもならないですよね。自販機を荒らす不良外国人のこそ泥集団くらいになら効果的ですけど。そんなもんです。
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- white_len
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ウイルスの種類は何でしょうか? ウイルスの種類によって全然違いますので詳しい説明を希望であれば何に対してか補足をお願いします。 下でも書かれていますがウイルスによってさまざまです。 ノロウイルスの感染は経口感染ですのでメガネは意味がありません。 逆に、プール熱(アデノウイルス)やウイルス性結膜炎の場合、目等から感染します。 インフルエンザの場合は飛沫感染で経口・呼吸器系から感染しますので目は殆ど関係ありません。 目と鼻は涙道により繋がっていますが、そこからの感染は殆ど無いと考えてもらってもかまいません。 以下参照URL アデノウイルス http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%BD%E9%A0%AD%E7%B5%90%E8%86%9C%E7%86%B1 結膜炎 http://www.skk-health.net/me/17/index.html 目の構造など http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%99
お礼
回答ありがとうございます。 ウィルスの種類ですが主にインフルエンザについて質問していました。 知識が無くどこからでも体内に入れば感染すると思っていて、感染に条件があることは知りませんでした。 電車やバスの人混みで飛沫が目から入っても感染するのかを知りたくて質問したのですが、特に気にしなくて良いと分かり疑問が晴れました。 ありがとうございました。
- hmcke213
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ウイルス等の感染にはそれぞれ条件があります。 例えば、ノロウイルスの場合、嘔吐物の処理が不完全な場合ウイルスがその場で乾燥した状態になり、空気の移動によって舞い上がり空気感染することがあります。これは経口から消化管を通じて感染するのが条件です。 しかしHIVウイルスの場合、条件は経口だけではなくあらゆる経路からの体液の交換です。つまり、性交渉は有名ですが、条件が重なれば経口でも、目の粘膜からも感染することがあります。つまり、感染者の体液(血液など)が目や鼻、口などあらゆる粘膜から感染する可能性があるということです。 ご存知かもしれませんが、マスクはウイルスを遮断することは出来ません。細菌より小さいほどのものです。あれは、マスクの中の湿気がウイルスの侵入を少しの時間阻むことが出来るだけなんです。 菌やウイルスには感染にも条件がありますが、その発症にも条件があります。世の中菌だらけなので、しょっちゅう色々感染しますが、人間にはそれに対抗する力があり、抗体にしてその後予防することもできるんです。逆に体調が悪い時に発症するくらいなもんです。一番の予防は、ストレス発散をし、普段から健康でいること、体力をつけておくことですね。
お礼
回答ありがとうございます。 知識が無くどこからでも体内に入れば感染すると思っていて、感染に条件があることは知りませんでした。 マスクも湿気が阻んでくれてるのですね。 知らないことだらけでした。 まずは体調管理に気をつけようと思います。 ありがとうございました。
お礼
回答ありがとうございます。 知識が無くウイルスがどこからでも体内に入ることで感染するのかと漠然と考えていました。 ウイルスがどの器官に感染して増殖するかということと、そこまでの到達ルートが有るかということを考えれば良いのですね。 丁寧な回答ありがとうございました。