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インフルエンザウイルスの感染力

インフルエンザの効果的防御法についてうかがいます。 最大の関心事は、感染力の経時変化です。 大衆薬局で「抗ウイルス」と銘打って販売されているマスク、良く見ると「ウイルス飛沫 99.9 %カット」など、「飛沫」という表現がなされています。 飛沫の正式な定義は分かりませんでしたが、概ね 3 ~ 5 μm と理解しました。 ウイルス一個体の大きさ 100nm オーダと大差があります。 しかし現実は、その閾値で各社普及品の粒子カット率競争が行われているようにも見えます。 小さな粒子ほど長く浮遊するという特性を加味してもなお、 3 ~ 5 μm が「抗ウイルス」の有効指標なのでしょうか。 もっとも N95の 300nm であってもウイルスよりは大きいようですが。 小さなウイルスの塊は例えば、迅速に酸化や加水分解により不活化され、考慮の必要無しという事なのでしょうか。 また、マスクに堆積した沢山の飛沫の一部が砕け、吸引されることがあっても、すでに吐く息の温度と水分により分解済みなのでしょうか。 いずれにせよ反応時間が気掛かりです。 1秒なのか1分なのか1時間なのか。  高齢者の世話をしております。 配達される新聞、郵便物、スーパーで購入した食品など、罹患者が触れる可能性のあるものは、数時間、常温常湿に放置した後、渡してみようかと考えております。 効果は期待できるでしょうか。 加湿器の湯気に暴露する効果はどうでしょう。 粒子径、温度、湿度、浮遊吸着の別、吸着物(紙、プラスチック等)によって、ウイルスの感染力はどのように時間変化するのでしょうか。 一般の者です。 ネット検索で解る程度の用語で解説いただければ幸いです。

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noname#160718
noname#160718
回答No.4

 Jagar39です。  湿度とウイルスの生存性についてですが、そもそもウイルスという微生物は細胞の外では「死ぬ一方」の存在です。温度や湿度などの条件は、その死ぬ速度が速いか多少遅いかの違いでしかありません。  例えば分離して精製したウイルスを、最も長期保存できるのは凍結乾燥、次いで凍結、ということになるのですが、凍結も-20℃(一般的なフリーザー)だと力価が落ちてしまって長期保存できないウイルスが数多くあります。なので凍結の際の温度は-80℃が標準になっています。  患者から採取した鼻汁等の検体を検査機関に運搬する際は氷冷が基本なのですが、この場合はリン酸緩衝液、もっとシビアな場合はそれにグリセリンを添加した緩衝液中で保存しなければ、せっかく採取しても検査で陰性となってしまう場合が多々あるほどシビアです。特にRSウイルスがシビアですが、インフルエンザも「シビアな方から数えた方が早い」ウイルスです。  体内でも同じことなんですよ。片っ端からウイルスは死んでいるのです。それ以上に増えているだけなんです。  例えばRSウイルスは培養温度を34℃にしないとまともに増えません。インフルエンザもかつてはそう言われていたのですが、実は37℃でも普通に増えます。  で、ではRSウイルスは「34℃という温度を好むのか」というとまったく違います。34℃という温度中ではほとんど瞬時にと言って良いほど死滅してしまいます。それ以上に増えているだけなのです。  増えるのは細胞あってのことですから、細胞から放出されたウイルスはもの凄い勢いで死んでいくだけの存在、ということです。  なので「インフルエンザウイルスは低温乾燥状態を好む」というのは、一般の人向けの説明であって実際はそういうわけではありません。  特に乾燥については、「乾燥状態を好む」ウイルスなど存在しません。  私は「湿度が低い方がウイルスの生存性が高い」という説に懐疑的なので、その理由についてもよく判りません。まあ湿度が高い方が飛沫核がミストを吸って大きくなるから早く落ちる、くらいのことしか思いつきませんね。それも我ながら眉に唾を付けたくなる説明ですが。  ちなみに、うがいや加湿器の使用がインフルエンザ(あるいは風邪一般)の予防に良いとされているのは、ウイルス側の要因よりヒト側の要因が大きい、と思います。咽喉頭や気管支の粘膜が乾燥していると粘膜免疫も上手く働きませんし、粘膜が荒れて感染しやすい状態になりますから。  少なくとも、"その部屋"に発症者がいるような場合では、うがいをしようが加湿器をどれだけ使おうが、感染率に差が出るほどの効果はない、と思います。  アルコール噴霧の話ですが、必ずしもベタベタに濡らす必要もないでしょう。ふわっとかかる程度でもそれなりの効果はあると思います。  この辺は「気は心」の世界になってしまいますが、それでも力価的には2ケタくらい落ちると思いますけどね。  もちろん可能な場合は、きっちりベタベタにした方が良いのは決まってますが。

pivot_shaf
質問者

お礼

ご回答より、インフルエンザウイルス関し、次のようなイメージを持ちました。 1.より低温の方が経時劣化が小さく、低温での乾燥が、さらに劣化を抑制しうるのは事実である。 2.しかし常温での乾燥は、不可逆な変性を生じさせるまでの強力な脱水を引き起こす可能性がある。 3.湿度の上昇に伴い不活化が促進されるという考えは疑わしい。 4.温度の上昇に伴い不活化が促進させれるのは化学上当然である。体温程度でも不活化は進行している。 組み立てが行われている一方で、分解してしまっているという細胞内の光景は新鮮でした。単なるネット検索では得がたい知見を沢山得ました。 お時間を割いていただき真にありがとうございました。 心より感謝いたします。

その他の回答 (3)

  • simakawa
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回答No.3

かぜやインフルエンザウイルスは単独では浮遊しませんから,大きさはクシャミや唾液の飛沫の大きさを捕捉できればいいのです. その他ウイルスが付着した時,吸着させ不活性化する方式や.酸化させてしまうのの等にウイルス対策用マスクがあります.実験では10~30分以内には不活性化されます.     http://www.ne.jp/asahi/web/oki/health/infulenza2001.html#mask http://ayahadio.typepad.jp/store/2007/12/post_a768.html http://homepage2.nifty.com/tmc_kasumi_kansen/news/musk.pdf

pivot_shaf
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 飛沫の大きさの分布、小さいほど多いと、漠然と考えておりましたが、個数ベースで一様、あるいは個数ベースで正規分布という可能性だって有り得ますね。 クシャミ、咳という噴霧特性が鍵になるという事ですね。 数μmオーダで、個数ベースでの減少域だとするなら、小さな飛沫、飛沫核に含まれるウイルスは、ご指摘どおり、総体積的に取るに足らないという結論になります。

noname#160718
noname#160718
回答No.2

 獣医師です。ウイルスに専門知識を有しています。No.1の方も専門家ですけどね。  私もほぼNo.1の方の回答と同意見です。  ちょっとだけ補足しますと、「5μm以上の飛沫核」で感染することを「飛沫感染」と言い、それ以下の場合は「空気感染」と言うのが一応の定義になっています。  で、インフルエンザの場合は「飛沫感染」が主体なので、5μm以下の飛沫核の中ではウイルスの生存性が極めて低いのでしょう。  マスクにトラップされたウイルスの感染性ですが、この場合は呼気に晒されますので、「不織布にウイルス液を吸わせて室温放置」という条件よりは不活化の速度は早いと思います。でも、1時間くらいではまだ感染力は持っているでしょうけど。  ウイルス単独粒子の状態では極めて速やかに不活化されるのですが、食品中などで他の物質によってガードされている状態ではけっこう長く感染性を保っているので、私も室温放置はあまり意味がないと思います。  湿度については私も疑問視しています。  No.1でも言及されている「古い論文」は、論文そのものは古すぎて手に入らず、未だに読めていないのですが、その論文中の図表が未だにあちこちで引用されています。(ただしまともな学術論文ではみかけないです)  でも、その図を見ても実験方法が想像もできないし(使われている単位系が意味不明)、それ以前にそもそも「不活化条件」として有効とされる1/100以下、という条件をその図では満たしていません。  つまりその図をそのまま素直に読んでも、「加湿はインフルエンザウイルスの不活化には有効とは言えない」としか読めないんだな。 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/infnews/1999/05.html  この2つめの図の「インフルエンザウイルスの生存性(Harperによる)」というのがそれです。  三洋の空気清浄機といえばこれですかね。 http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0608news-j/0828-2.html http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/01/17/356.html  Harperの図を根拠にして宣伝している加湿器も多いですけどね。  「湿度がウイルスの生存性に与える影響」  こういう実験、難しいですよね。誰もやっていないのは、世界中の研究者のツッコミに耐える実験デザインが誰にもできないからなのでは。  話が逸れましたが、他の対策としては、アルコールを霧吹きで一吹き、というのは効果があると思います。ノロは無理ですが、インフルエンザならこれで不活化できます。

pivot_shaf
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。 湿度に関する件、No.1の方の補足欄にも記載いたしましたが、本来の寿命に影響なく、水分を含んでいる方が重量的に落下し易いという性質を表しているに過ぎないのでしょうか。 宿細胞から排出される前後で特性は異なるかも知れませんが、体内で生産され体液の飛沫と共に放出されるものが、湿度に弱いというのは素人考えでも腑に落ちません。 アルコール霧吹きの件で一つ教えていただきたいことがあります。 噴霧量の事です。 ずぶ濡れにしなくてもアルコール蒸気の雰囲気に曝す程度で効果はあるでしょうか。 消毒用エタノールは常備しているのですが、衣服や紙の消毒には使用していませんでした。 霧吹き後、金属やプラスチック素材なら、何かで擦ることでムラ無く拡げられますが、布や紙では全面を濡らすのは容易ではありません。 宜しければ、ご意見お聞かせ下さい。

  • tunertune
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回答No.1

3 ~ 5 μm が「抗ウイルス」の有効指標かどうかは分かりませんが、インフルエンザウイルスはとても弱いウイルスですから乾燥した飛沫核ではあまりもたないのではないでしょうか。5 μm 以下の飛沫核に感染性ウイルスが存在しているかを確認したことがないのではっきりとはいえませんが。 マスクに付着したウイルスがほうっておいてどれだけ感染力が落ちるかは分かりませんが、不織布にウイルス液を吸わせて、室温放置しても1時間とかではたいしてウイルスの感染力は落ちません。 マスクの素材自体に抗ウイルス加工しているものの中には、2分もあればかなり感染力を落とすものもあります。 >数時間、常温常湿に放置した後、渡してみようかと考えております。 あまり意味はないかと思われます。食品の場合は食中毒が心配です。それほど神経質になる必要があるか疑問ですが、新聞や郵便物であれば紫外線を当てるという方法が効果的ではないでしょうか。光の当たる部分では5分も当てていればウイルスは感染力を失うでしょう。 >加湿器の湯気に暴露する効果はどうでしょう。 かなり昔の論文に湿度が高いとウイルスの不活化がはやいというものがありますので効果はあるかもしれません。 (が、個人的意見ですが私は疑問視しております。) 加湿器だったか空気清浄機だったか分かりませんが、三洋だかシャープだかのミストが抗インフルエンザウイルス効果を持っていた記憶があります。

pivot_shaf
質問者

お礼

いろいろ情報ありがとうございました。 お蔭様で力の配分が判り、罹患の可能性が減りました。 なお、紫外線の件、 「5分も当てていれば」というニュアンス、下記2つのデータをもとに試算、納得いたしました。 http://www.akaricenter.com/mame/mame_sakkin.htm http://www.iwasaki.co.jp/chishiki/uv/02.html

pivot_shaf
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。 殺菌灯は他でも重宝しそうです。 購入してみます。 三洋の除菌電解ミストの件、情報ありがとうございました。 http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0605news-j/0515-1.html http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0501news-j/0121-1.html シャープにも除菌イオンというのがありました。 http://www.sharp.co.jp/ion/clusterion/effect.html ところで、 > インフルエンザウイルスは・・・乾燥した飛沫核ではあまりもたない との事、他でもそのそのような旨の記述を見かけて、不思議に思っておりました。 「インフルエンザウイルスは低温/乾燥を好み」のような日常表現と一致しないからです。 「乾燥した飛沫核ではあまりもたない」は不可逆な脱水変性の意でしょうか。 日常表現とは裏腹に、実は乾燥はインフルエンザウイルスにとっても大敵という事でしょうか。 「乾燥を好む」のよな日常表現は正確でなく、乾燥している方が飛沫核が長時間漂う、また呼吸器の耐性が落ちるなどの要素が入り混じった誤解という事でしょうか。 再度検索してみましたが適当な記載にたどり着けません。 ご意見うかがえれば助かります。

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