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電子の放出・吸収について
中3です。化学について質問させてください。 化学結合やイオンなどの単元において、電子の放出・吸収という言葉は 頻出しますが、そもそも何がそれを可能にしているのでしょうか。 また、その何かがあると仮定して、どんなきっかけでこのような電子の振る舞いが 起こるのでしょうか。 電子の放出・吸収と聞くと、経験則からあたかも電子が物質的なもので、 空気中を浮遊しているかのように聞こえますが、電子は原子の構成要素の1つであるので、 それが間違っているのはなんとなく分かりますが、このような考え方からまだ抜け出せません。 学校では「原子Aは物質的に安定したいから電子を吸収(放出)する」と教わりましたが、 「物質的に安定」とは、どういうことですか? 回答をよろしくお願いします。
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>電子の放出・吸収と聞くと、経験則からあたかも電子が物質的なもので、空気中を浮遊しているかのように聞こえますが、電子は原子の構成要素の1つであるので、それが間違っているのはなんとなく分かりますが、このような考え方からまだ抜け出せません。 電子は「物質的なもの」であると考えるのは正しいと思います。どうして「間違っている」と考えたのでしょうか。 物質を原子、または原子の組み合わせで出来たものだけに限定されているのではないでしょうか。物質は混合物と純物質に分けられます。純物質は化合物と単体に、化合物は分子性物質とイオン性物質に分けられます。この様に習うと電子は物質でないように思ってしまいますね。でも物質の構成要素はまた物質です。化学では物質というものを「化学物質」に限定して考えていますので混乱していまうのでしょう。ある決まった質量を持った塊はすべて物質です。イオンも物質です。陽子も中性子も物質です。力を受ければ加速されます。加速度は質量によってかわります。ぶつかれば衝撃が生じます。放射線にα、β、γの3つの種類があるというのはご存知でしょうか。α、βの2つが物質的な放射線です。電界の中では方向が変わります。曲がる方向や曲がり方が異なります。電荷の符号や質量が異なるからです。γ線は電界の影響を受けません。電波の仲間であるとされています。(α線はHeの原子核の流れ、β線は電子の流れです。) 電子も物質です。物質だからこそ空間をただふわふわと漂っているということが起こらないのです。漂うためには特別な条件が必要です。普通は何かの物質にくっついてしか存在できません。原子の中にいるか別の原子にくっつくかです。 その意味では Na → Na+ + e- と書くのはよくないです。 あたかも電子が空間をふわふわと飛び回っているようなイメージを持ってしまいます。この変化は相手がいて初めて起こることです。 「ナトリウムはイオン化傾向が大きいから電子を放出した方が安定である」という表現がされているのを時々見ます。でも間違いです。勝手に電子を放り出してイオンに変化するということは起こりません。放射性物質の変化と同じように考えることは出来ません。相手なしにどんどん変化するのであれば金属ナトリウムは存在しないことになります。 A + B → A+ + B- の変化が起こったとするとエネルギーは(A + B)で考えたものと(A+ + B-)で考えたものの比較です。AとA+との比較ではありません。 ナトリウムを灯油の中に保存するという場合はBが灯油です。灯油が電子をもらえないからNaもNa+になれないのです。 摩擦電気の説明でなんとなく「帯電」という言葉が使われているのも困ることです。プラスティックスが帯電すればイオンが出来ているはずです。ふわふわと正体不明の電子がごみのようにくっついているというものではないはずですね。こするという操作は磨くという操作に近いものですから物質の結合を断ち切ってしまう事のできるだけのエネルギーを供給しているのです。 電池の中でも電子は漂うことは出来ません。極板と極板の近くにいる物質の間でやり取りされるだけです。 電子が物質であるということがもっと強調されてもいいように思っています。 ボールを右手から左手に投げたとします。一時的にボールは空中に存在します。でもこれは続きません。安定状態ではボールは右手の中にあるか、左手の中にあるか、地面に落ちているかのどれかです。 「化学物質」は安定状態だけで物質を考えています。でも化学反応が起こるときは一時的にしろ空中を飛んでいるボールのような状態が実現します。
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量子力学によると電子は粒子性(物質性)と波動性をもっています。これは、あらゆる物質がそうです。
>「物質的に安定」とは、どういうことですか? 良いところにお気づきになったと思います。「物質的に」ではなく「エネルギー的に」と言った方がよいでしょう。 単純に言うと物質Aが有ったとき、これが電子を放出・吸収する事でエネルギーが小さくなる(簡単に言うと熱を放出する)方向に物事が起きると言うことです。「熱力学」というものを勉強してください。中学生でも早すぎません。大学の教養課程の教科書を買って、高校の反応の熱の出入りの計算をしながら理解してください。 参考に大坂教育大学天王寺高校 岡博昭先生のページを貼ります。 >電子の放出・吸収と聞くと、経験則からあたかも電子が物質的なもので、空気中を浮遊しているかのように聞こえますが、電子は原子の構成要素の1つであるので、それが間違っているのはなんとなく分かりますが… 電子は出す方(供与体、ドナー、広い意味での塩基)から受け取る方(受容体、アクセプター、広い意味での酸)へと移動しますので、必ず「相手」があります。
お礼
エネルギー的に安定、こう言い換えてみると、 エネルギーが安定方向に向かうのは自然な流れですので 理解しやすいですね。 >電子は出す方から受け取る方へと移動しますので、必ず「相手」があります。 これに関しては、接している原子どうしが電子をやりとりしていて、 電子が単体で浮遊しているのではない、ということで理解して 差し支えないでしょうか。
補足
長文をどうもありがとうございます。 電子も物質であるということは全くの初耳で、 とても参考になりました。 もしよろしければ、こするという動作がどのようにして 物質にエネルギーを与えているのか、ということも お教え願いたいのですがよろしいでしょうか?