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薄膜成長での吸着と吸収スペクトルの関係

私は、真空中での薄膜の成長について研究しています。ある文献で、成長分子の基板への吸着の度合いを表すパラメータとして、吸着定数(sticking coefficient)なるものが出てきました。この吸着定数についてその文献では、薄膜の吸収スペクトルのうち、波長がQ帯(550nm~1000nm)の強度から決定されると書かれているのですが、そのメカニズムがわかりません。どなたか、よろしくお願いします。

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  • cholerae
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回答No.2

補足があったので再度登場します。フタロシアニンを基板上に薄膜化するという話ですので,Q帯における吸収で間違いありません。たとえば,固相状態でのフタロシアニンは772 nmに吸収ピークを有します。もちろん,金属が配位すれば吸収ピークも変化しますが,手元の資料(色素ハンドブック)を見ると,その場合でもみな600 nm以上のところにピークがあるようです。  したがいまして,吸着定数の概念は吸光度に関連していると思いますが,吸着定数そのものについては私もわかりません。たぶん,基板上のフタロシアニンですから,吸収スペクトル測定は「反射法」によるものと想像されます。薄膜の成長の度合いを吸収法で正確に測定することは結構たいへんだと思います。  以上,回答になっていませんが,参考まで

s-mag
質問者

お礼

どうも、御丁寧に解説していただきありがとうございました。 参考どころか、非常にわかりやすい回答でした。 また、機会があればよろしくお願いします。

その他の回答 (1)

  • cholerae
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回答No.1

吸収スペクトルから基板での吸着分子の吸着の度合い,つまり,吸着量を評価するとすると,その分子の吸収帯での吸光度から評価すればよい。しかし,吸着分子によって吸収帯は異なるであろうから,Q帯として波長を限定することはおかしい。ただし,この「吸収スペクトル」を見かけの吸収スペクトルとして,薄膜評価を散乱度で考えると合理性がでる。つまり,薄膜形成によって「濁り」がでるのならば,その濁りを定量化すればよい。その際,濁りによる散乱が問題になるから,逆に吸収帯で評価することは避ける。一般に濁りの評価には,長い可視波長域を使う。問題にしている薄膜が何か? 貴質問からはわからないが,「濁り」があるのならば,吸収ではなく散乱で評価することなる。

s-mag
質問者

補足

私の質問が不完全でしたので、補足します。 問題としている薄膜は、KCl基板、LiF基板上に成長させたフタロシアニン薄膜です。 この文献には載っていないのですが、私が想像するところではフタロシアニンの吸収帯がQ帯ということなのだと思います。頂いた回答をもとに考えますと、薄膜のQ帯での吸光度から、フタロシアニンの吸着量を評価するということなのでしょうか。この手法は合理的でしょうか?