ヨーロッパにおいては、各王家は互いに婚姻で結びついており、相互に親戚関係にありました。
そのため、ある王家が絶えても必ずどこかにその一族がおり、その子が王になる事で王家の血が絶える事はありませんでした。
ただ逆にそれは、王位継承戦争の頻発につながりますが。
また王家は、他国の王家を完全に抹殺する事を望みませんでした。
そんな事をすれば、次は自分達が抹殺される事になりかねないためです。
そのための王家による結婚によるつながりなのです。
近世までのヨーロッパにおける戦争は、一種のスポーツのようなもので、相手を徹底的に追い込んでも王家には手を出さない事が常識でした。
相手の国の王を捕えても、身代金をとって解放していました。
リチャード獅子心王は、敵方のオーストリア伯に捕えられ、イギリスの国家予算の大半に相当する身代金を支払い解放されています。
百年戦争でイギリス軍に捕えられたフランス王は、みずからの身代金調達のためにフランスに帰り身代金の工面をしますが、必要な金額が集まらず再度イギリス軍の捕虜となっています。
こういったルールは、ヨーロッパ以外の地域には適用されませんから、外敵に滅ぼされた場合には、王家滅亡となったりしましたが。
>日本の天皇家のように神話に基づく「万世一系」のような特別な権威
が存在するのならともかく、ヨーロッパの王家にそういうものがあるのでしょうか?
そういった明確なものは存在しませんが、王家相互間のカルテルのようなもので、「正統な手続きを踏まずに王家を起こす事は認めない」というものがありました。
そのため、ブルゴーニュ公家では、王以上の財力・権力・領土を持っていましたが王を名乗る事はできませんでした。
そのため、当時の神聖ローマ皇帝位を保持していたハプスブルク家に近づき、皇帝の位を手に入れようとしました。
またリトワニアは、現在のリトワニア、ベラルーシ、ウクライナを領する大国でしたが、王号を認められず大公国のままでした。