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警察官の逮捕する権利について
憲法や法律では、不逮捕の特権や、一般人の逮捕についての条項はありますが、 基本的な警察官の逮捕の権利についての条項が見つかりません。 逮捕状に基づく逮捕、緊急時の逮捕、その他 関係条項を教えてください。
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“権力の乱用を法律が認めている” とは、少々違っていて、“行政の裁量”の問題になります。 警察官は法の執行を行うので、司法に属する官吏のように見えますが、正しくは国家権力を執行する行政官に含まれます。 そして、行政においては一定の裁量を行う権利(裁量権)が認められる場合があります。そして“逮捕することができる”の表現が、この裁量権を認めることを示しており、例えば第百九十八条4項の“記載しなければならない”が裁量権を認めない表現です。 理論的には、立法機関で定める法律、規則などが行政上発現する全ての事象を完全に網羅しているのであれば、行政に裁量権を与える必要はありません。しかし実際問題として網羅することは不可能ですし、その結果一定の範囲で裁量を行う権限を認める必要があります。 例としては、逮捕の目的は犯罪の拡大、逃走、証拠隠滅などを防ぐことが目的なので、上記のおそれが無ければその必要がありません。 仮に“逮捕状が発行されていれば、逮捕しなければならない”と定められていたら、上記恐れが無い場合でも、逮捕しなくてはならないし。逮捕行動を罰則により警察官に強制するのであれば、犯人に逃げられた警察官に対して罰則(罰金とか、懲役)を課すことになります(指名手配されて時効まで逃げ切った犯人を捜査していた場合、警察署長以下全員を刑務所送りにする?)。 “相応の努力をする”にしても、罰則があれば上記問題を引き起こすし、単なる努力規定であれば、現状と変わらないでしょう。 “警察官の気分しだい”とありますが、状況によりますが、一警察官が独自に判断することではなく、執務規定(法的な根拠をもつ)により上司の指揮命令には従う必要があるでしょうし、警察一般は検察官の指揮命令に従う必要があります。そしてそれぞれに罰則規定が存在します。 検察官の判断に対しては、検察審査会によるチェックを行うことができます。 そして、行政官である警察官の行動が法に反しているのであれば、裁判によって罰則を与えることができます(その中には、裁量権の逸脱も含まれることになります:前例に挙げた第百九十八条4項違反等)。 より、上位のレベルでは、行政の裁量権や、裁量権の範囲、行使などに関する法令を定め、裁判官が従う義務を負わされている法律を作り、或いは改廃する権限を付与している国会議員を全く任意に選択できる(選挙権を有する)国民が監視していることになります(理論的には)。
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- hiroki0527
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逮捕状請求は「刑事訴訟法第199条第2項」で「検察官、検察事務官、司法警察員」が裁判官に対して要求できます。 司法警察員は「警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者」と規定されています。 一般の警察官は逮捕状請求は出来ません。 なお、司法警察職員は警察官だけとは限りません。 防衛省自衛隊警務官 海上保安官 麻薬取締官・麻薬取締員 労働基準監督官 皇宮護衛官 船員労務官 漁業監督官又は漁業監督吏員 鉱務監督官 鳥獣の保護又は狩猟の適正化に関する取締りの事務を担当する都道府県の職員 刑事施設の長、刑事施設の職員(刑務官) なども「特別司法警察職員」の指定をされています。 通常逮捕は ------------------------------------------------------------------- 第199条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、30万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、2万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。 ------------------------------------------------------------------- と規定されています。 警察官は司法警察職員と規定されていますので、逮捕状によって逮捕することは可能です。 基本的には「巡査長」以下が「司法巡査」「巡査部長」以上が司法警察員」と成っていますが、捜査上必要が有れば「司法警察員」に認定されています。 「刑事」と言われる人達は職務上「司法警察員」に指定されているようですね。 ------------------------------------------------------------------- 第189条 警察官は、それぞれ、他の法律又は国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会の定めるところにより、司法警察職員として職務を行う。 2 司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。 ------------------------------------------------------------------- 現行犯は ------------------------------------------------------------------- 第213条 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。 ------------------------------------------------------------------- という事で一般人でも逮捕は可能です。 現行犯は規定があり -------------------------------------------------------------------- 第212条 現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。 2 左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。 1.犯人として追呼されているとき。 2.贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。 3.身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。 4.誰何されて逃走しようとするとき。 ------------------------------------------------------------------- ただし、一般人には拘留権等がありませんので、検察官や司法警察職員=警察官に引き渡す必要があります。 ------------------------------------------------------------------- 第214条 検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。 -------------------------------------------------------------------
- ken200707
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質問があいまいですが、 1)警察官“を”逮捕する場合 一般人(検察官、検察事務官又は司法警察職員以外)が警察官を逮捕する場合は、刑事訴訟法第二百十三条による現行犯逮捕のみが可能です。 逮捕状による逮捕(第百九十九条)や緊急逮捕(第二百十条)は認められていません。 2)警察官“が”逮捕する場合 法的根拠は、逮捕状による逮捕(第百九十九条)、緊急逮捕(第二百十条)及び現行犯逮捕(第二百十三条)です。この場合逮捕対象が警察官であるか、一般人であるかには無関係です。
- mat983
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警察官とはいえ身分は一般人と同じです。 特別な権利はありません。 同じ手順で逮捕されます。
- harun1
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警察官も一般人の逮捕と同じ要件です。 不逮捕の特権があるのは、外交官と国会開催中の国会議員だけです。
補足
ありがとうございます。 警察官が逮捕する場合の質問でした。 刑事訴訟法なんですね。かねてから「逮捕」という言葉に違和感がありましたが、やっとわかりました。法律では、「逮捕できる」となっています。ところが、一旦行政内部のことになると、「せねばならない」と表現が変わります(刑事訴訟法第二百十四条など)。 これは、権力の乱用を法律が認めているのだと思います。極端に言えば、逮捕するかしないかは警察官の気分しだいということになります。 別の法律で補足してあるとは思いますが、 「逮捕せねばならない。」とか、「逮捕する相応の努力をせねばならない。」とは変えられないのでしょうか。(第百九十九条) 政治的・実務的な点ではなく、法理論としての質問です。 以前から頭が整理できません。すっきりした回答が頂ければありがたいです。