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エンドトキシンについての質問です

 エンドトキシン活性化の主原因である、リピドAという物質には、抗原性がほとんど無いということでした。  抗原性がほとんどないのに、発熱作用等が起こるのはなぜでしょうか?  あと、よくわかっていない可能性があるので、抗体免疫反応等を簡単に教えていただけるとうれしいです。

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回答No.1

耳学問からの考察です。 単純にいうと、感染される生物側の細胞にレセプターがあるからでしょうね。リピドAについてはよく知りませんが、ジフテリアトキシン、ボツリヌストキシン、コレラトキシンなどなどの内毒素、外毒素は、細胞のレセプターに結合していろいろな生理作用をもたらします。なんでそんなレセプターがあるのかというと、ひとつにはもともとホルモンなどのシグナルのレセプターであるものを利用して、それに結合することによって生理作用、たとえば下痢とかせきとか出血などをを引き起こすことによって、感染の機会を増増やすことが感染する側から淘汰上有利だったからでしょう。 もうひとつは、感染される側が、抗体によらない免疫機構で感染に対抗するため、感染生物を検知するシステムを進化させてきた結果でしょう。 抗体による免疫機構は脊椎動物にしかありませんね。しかし、細菌、ウイルス、寄生生物に対する防御機構は、進化的には、抗体による免疫機構が現れるはるか以前からありました。脊椎動物も含め真核生物に一般的にみられる免疫機構、innate immunityでは、異物貪食作用や、抗菌物質、抗ウイルス物質を作る(インターフェロンとか)などがありますし、近頃ではRNAiはウイルス由来の二重鎖RNAを破壊するためにできた機構だろうというようなことも言われています。エンドトキシンやエクソトキシン、Protein AやG、二重鎖RNAは特異的抗体による免疫機構が完成する以前から感染を示し、それに対抗する引き金となるシグナルであるとして利用されてきていて、それを感知するレセプターが進化してきていたのでしょう。 エンドトキシンの主要な生理作用のひとつは、マクロファージの貪食作用の活性化ですよね。これは抗血清を作るときエンドトキシン含んだアジュバントと混ぜて注射するとマクロファージのよい標的になって、免疫系を効果的に刺激するというのに利用されていますね。 脊椎動物の異物に対する特異抗体による非常に進化した免疫系というのは、そういった原始的な免疫系で使われてきたシグナル系の上に積み上げて進化してきたのでしょうね。

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