指揮者によって演奏が違う、というが本当か?
クラシックの演奏についてこんなやり取りをしているのをよく聞きます。
素人「指揮者ってさあ、何のために居るの? 指揮者によって違いが出るの? 正確なテンポを指示するだけなら音の出ないメトロノームでもいいんじゃないの?」
玄人「素人にはわからないんだよ、いいかい、指揮者ってのは、楽譜に掛かれたことを独自の見解で解釈して指揮を執るんだ、単に規則正しく指示棒を振ることが指揮者の仕事じゃない。
ためしに指揮者の●●氏と▼▼氏のレコードを聴き比べて御覧? 全然違うから」
素人と玄人が一緒に聴き比べる
玄人「ほーら、ごらん、全然違うじゃん」
素人「えーちっともわからないよー」
玄人「君は違いの判らない奴だな。僕は違いが判る男だよ」(古いギャグだな)
本当に指揮者ってのは楽譜を独自の解釈で指揮するんでしょうか?
それにしては素人には違いがさっぱり判りません。
「楽譜には書いてないことで、指揮者の裁量で足したり引いたりしても良いこと」
って具体的にはなんですか?
商業音楽では、いわゆるカヴァー曲ってのがありますよね。もっとも大きな違いは原曲とカヴァー曲では歌手が違う、ということですが、それ以外にも、使われる楽器の編成が違っていたり(もっとも最近では楽器なんぞ使わずに全部コンピュータ合成した音源でしょうけど)、リズムが違っていたり、謳い方にしても繰り返しの回数が違っていたり、タメをつくったり、原曲には無かったリフレインを入れたり、というように、かなり変えたものを出してきます。
もっとも元曲と同じ音源で歌ったら、単なるカラオケになってしまうので、当然そういった「いじくり」「アレンジ」をするわけですが、クラシックの「指揮者による演奏の違い」にはそこまでの違いが判りません。
CDを再生しながら玄人の方に
「違う、違う、ほら、違うじゃん!!! ここだよ、この音だよ!!」
と言われても、
「それってテイクの違いじゃないの、単なる失敗演奏、なだけじゃないの?」
と思ってしまいます。
本当に指揮者による演奏の違い、というのはあるのでしょうか?
単に玄人が玄人知識をひけらかしたいために、ありもしない差異があるかのように言っているだけではないでしょうか?
違いの分かる方、お願いします。