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有効質量とバンド質量

はずかしながら、先日まで”有効質量”と”バンド質量”を同じものと 思っておりました。ある文献で、「有効質量とバンド質量の比」という 言葉に出会い、両者は異なるものであると分かりました。 有効質量が質量テンソルで表されることは知っております。 バンド質量はどのように定義されるのでしょうか。

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回答No.1

有効質量とは、結晶中の伝導電子がもつ実効的な質量(理化学辞典より)。 有効質量は、様々な効果の結果生じるもので、そのうちの一つがバンドの効果です。バンド質量は、  (1/m*)_ab = h^(-2) (∂^2E/∂k_a∂k_b) (a,b=x,y,z)  (ただしh はエイチバーのこと) で与えられます。これもテンソルですね。 有効質量は、バンドの効果以外に電子間相互作用、電子格子相互作用の影響も受けます。「有効質量とバンド質量の比」というのは私も聞いたことがあります。その話はたぶん重い電子系だと思います。重い電子系では、有効質量は元の質量の1000倍にも達する場合がありますが、それは主に電子間相互作用によるもので、バンドの効果はあまりありません。このときの電子間相互作用の効果の割合を見積もるのに「有効質量とバンド質量の比」という形で表したものだと思います。

noname#2977
質問者

お礼

よく分かりました。 確かにエネルギーEの分散関係にはバンド以外にも電子間および電子格子相互作用があります。 バンドの効果による”有効質量”を特に区別したい時には、”バンド質量”と呼ぶのでしょう。 喉に刺さっていた小骨が取れたように、すっきりしました。 ありがとうございました。