やはり「地域」よりも「人」ですね。
ご指摘の通り、英語が世界で通用しやすいという考えは、あくまでも他の言語と比較してのことであって、地球の大半の人には英語が通じません。
確かに、海外と仕事をしている方々などは英語が通じやすいという錯覚に陥りがちですが、英語圏やオランダのような特殊な国を覗けば、英語が使えるのはごく一握りの人たちであって、学生、主婦、市場のおじさん、交通機関の職員など、本当の意味で世の中を動かし、世間の価値観を形成している人たちの殆どがまともに英語を話せません。例えば上海でもエリートやたまたま勉強している人は英語を話せますが、ホテルのフロントの人なんて全然話せませんよね。日本人なら漢字で筆談したほうが手っ取り早いです。
また、例えば欧州のラテン系の国では英語よりもフランス語が通じるのは有名で、同じ国でもベトナムでは、その歴史ゆえに、老人はフランス語、中年は何も、若者は英語が通じやすいです。日本語も世界各地でかなり通じますよね。フィリピンでは、高級ホテルでは英語しか通じず、土産物屋には日本語しか通じなかったりします。
余談ですが、ここから何を学びとれるか。英語がわかれば世界と通じ合えると思ったら大きな間違いだということです。むしろ逆で、英語で話せる相手は、英語を身につけられるほど何らかの形で恵まれていて(学費があった、能力や興味があった、など)、英語的価値観にかなり浸かっている限られた人たちなわけで、そこに甘んじて、その地域の真の文化を形成している大勢の庶民との交流を怠れば、その地域を理解できたことには全然ならないというのを、私たちは肝に銘じておかねばなりません。
お礼
パチパチパチ、鋭い回答ありがとうございます。 英語を過大評価している人も多いですね。確かに英語がわかれば世界が広がりますが、どうしてもアメリカやイギリスを中心としたプラグマティズムに偏り、非英語圏を英語という色眼鏡を通して見ては理解できないことって沢山ありますからね。