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ジェネリックの普及と先発品の開発の問題について
最近、ジェネリック医薬品という名前をよく聞くようになりました。 もともとあった薬の特許が切れたものを安く買えるというような認識ですが、このままジェネリック医薬品(後発品)が普及した場合、先発品を開発する企業には、どんなダメージというかがあるのでしょうか。 ジェネリック医薬品は良いものだというイメージがありますが、このまま普及を続けて問題はないのでしょうか。 考えられる問題を教えてください。
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問題点は多々ありますが、それよりももっと問題は、政府やマスコミがそのことを殆ど指摘しないことでしょう。 「ジェネリック 問題点」で検索すれば幾らでもひっかかります。 http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~matsuki/series/generic.htm http://intmed.exblog.jp/1590715/ http://www.gamenews.ne.jp/archives/2006/11/73.html でその中で先発品企業への影響という所に注目するなら、まず当然ですが利益が減りますので新薬開発に影響を与えます。ただ日本の場合は薬価は国が決めるので、じょじょに薬価は下がっていくため特許が切れる頃にはそれほど高価というわけではないです(勿論ジェネリックよりは高いですが)。 また新薬開発への影響については、単純にお金が回らなくなるという点もありますが、「育薬」という観点にもマイナスの影響を及ぼします。ジェネリック企業は基本的に開発能力のない中小が中心なので、「育薬」には関心がありません。ないというか経験をフィードバックして改良を重ねるという土壌が最初から無いのです。悪く言えば"売り逃げ"と揶揄されることもあります。ですので本来「育薬」に使われるはずの経験がそのままどこかに流れていくことになります。 安けりゃそれで良いと目先のものにとらわれていると、結果的には高くつくことにもなります。 例えば製薬大国だったドイツでは現在はジェネリック企業しかいなくなったそうです。つまり、国をあげて新薬の開発を放棄してしまった訳です。その結果「薬剤費はむしろ増加」してしまったと最初に挙げたサイトでも紹介されています。朝三暮四を通り越して安物買いの銭失いという訳ですね。 もちろん様々な問題があることは政府も認識はしているので、溶出試験を義務付けたり(成分が同じでも溶け方が変わると薬効も当然変わります)で再評価システムを構築したり、1ロットで売り逃げを行うようなジェネリック企業を締め出したりなど、手は打っています。ただ問題はそういった問題があること、ソレに対して手を打っていること、果たしてその手は妥当なのかどうかの検証(例えば上記の溶出試験にしろ、それは人体実験ではなく試験管の中でのテストでしかないので信頼性に疑問が挙げられたりもしています)など、そういった構造を隠したまま、ジェネリックはよいものだと突き進んでいる政府とそれに同調しているマスコミはやはりおかしいんではないかと思うわけで。