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交流電化を直流電化にしたJR西日本

JR西日本は、交流電化の北陸本線:米原~長浜間と湖西線:永原~近江塩津間を直流電化にした。 交流電化は、高圧送電(20kV)の為、電送損失が少なく変電所も少なくてすむ。 (新幹線は交流電化だ) 直流電化は、低圧送電(1500V)の為、交流電化に比べて電送損失が大きく変電所を増設しなければならず、コストがかさむ。 都市内地下鉄の様な短距離路線なら直流電化がいいだろうが、なぜJR西日本は直流電化にしたのか?

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  • suroeste
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回答No.9

 新幹線のように、大出力の電車が16両編成など長大な編成で走るなら、使用電力も大きく特別高圧の25KVなどで電化しないと、1.5KV程度の高圧なら電線もかなり太くしなければならず実用的ではありません。しかし、在来線なら直流電化でも変電所間隔を数キロ毎に設ければ、問題ありません。  昭和30年代~40年代は、交流電化がもてはやされました。それは、変電所間隔を直流電化なら数キロしか離せないのが、交流電化だと10倍くらい約50Km~100kmくらいの間隔にでき、変電所数が1/10以下にできるというのが最大の利点でした。当時の直流用変電所は、交流を直流に変換するのに、水銀式整流器が主力で、古いところは回転式変流機なども使われていました。水銀整流器は、真空ポンプで真空にしてから、補助電極でまず起動してから、本格的に運転になるなど、真空ポンプ取扱い、圧力計監視や各種バルブ操作、冷却水の循環など、人手に頼らないとできない、自動化や遠隔制御を行いにくく、このため各変電所には最低でも2名の係員を24時間配置しなければならず、最低でも1変電所につき6名の要員が必要で、山間部の変電所など、毎日の要員交替も移動に何時間もかかったりして大変でした。そんな時代ですから変電所が減るということは、人件費削減などでものすごくメリットがありました。  しかし、現在の大半の変電所はシリコン整流器の採用や高性能遠隔制御・監視装置のおかげで、完全無人化されています。また、最近は高速度遮断機なども静止型となったり、コンプレッサーや循環ポンプも無しの自然対流型など省メンテの密閉型変電所も増え、変電所が多くても初期投資がかかるだけで、運転コストはあまりかからなくなっていますから、昔ほど変電所が少なくなるといったメリットは減っています。  逆に、交流電化は車両が複雑で高価とか、離隔を大きく取らなければならないため跨線橋など高くしなければならないとか、近くの通信設備などに誘導障害を与えるおそれがあるとか、昔よりも近隣家屋が増えてきた場合、デメリットが大きくなりつつあります。また、北陸線は昼間の列車本数も多く、さらに夜行列車も運転されており保守間合いの少ない線区です。直流電化なら加圧状態で絶縁はしごを使っての活線作業も可能ですが、特別高圧の交流電化では、完全に停電しないと電車線の保守作業もできず、間合いの少ない線区では直流電化のほうが保守も楽な面があります。  さらに、北陸線は電化してから40年程度過ぎ、電気設備も車両も老朽化した物が多く、交流電化のままでも大半の設備を老朽取り替えしなければならなかったと思います。それを、京阪神から直通運転するために直流電化に変更するという理由で、かなり地元などの負担で老朽設備の取り替えもでき、地元も鉄道会社もメリットのある良い施策だったと思います。  

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質問者

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詳細な解説誠にありがとうございました。 大変参考になりました。 近年、インバーターや整流等電気関連技術の発達が著しく、在来線での交流電化のメリットが薄れてきたのかもしれません。 つくばエクスプレスのような特殊な例を除いて、今後在来線の交流電化はもうないでしょうね。

その他の回答 (8)

回答No.8

地元からの請願(とカネ)があったからです 友人がJR西日本の電気関連の仕事をしています。この友人の言葉のとおりです。 「うち(JR西)カネあらへんからいかに請願にするかがポイントやねん」「自分で造る(電化する、新駅つくる)いうたらカネださんなあかんやろ。向こうからカネ出すからつくってくれっていうの待ってんねん」 カネあらへんというのはJR東海や東日本にくらべてという意味だそうです。

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”自分は金を出さず、他人が金を出すのを待つ” いかにも関西人らしいですなぁ。

  • mukaiyama
  • ベストアンサー率47% (10402/21783)
回答No.7

>なぜJR西日本は直流電化にしたのか… すでにたくさんの回答が付いていますが、一言で答えるなら、 【まず地元からの要望があり、資金も出すと言われたから。】 となります。 (1) 地元の要望--滋賀県-- 湖西線の北端が交流電化で、ローカル列車の本数が極端に少なく、湖西側と湖東側の行き来がしにくい。 湖西線末端部と北陸線長浜以北を直流化すれば、琵琶湖を一周する列車を走らせることができる。 http://www.pref.shiga.jp/c/kanjyosen/02.html (2) 地元の要望--福井県敦賀市-- 平成3年に田村-長浜間が直流化され、新快速が長浜まで乗り入れ、長浜市の観光が潤ったことに刺激を受け、柳の下にもう一匹どじょうがいると考えた。 http://www.ton21.ne.jp/kaisoku/ (3) 地元の要望--福井県若狭地方の各市町村-- 北陸新幹線にめどが付かないことから、政治家は ・直流化による新快速敦賀乗り入れ ・小浜線電化 ・小浜線上中~湖西線近江今津間の新線建設 を「三点セット」と称し、鉄道後進県のイメージ払拭を図った。 (4) JRの対応 当初から JRの単独事業としては完全に拒否。 交渉を重ねるなか、地元がほぼ全額に近い費用を出すことを表明したため、事業家に踏み切った。 滋賀県75億円 福井県69億円 JR 18億円 -------------- 総費用162億円 >交流電化は、高圧送電(20kV)の為、電送損失が少なく変電所も少なくてすむ… たしかにそれは言えます。 ただ、北陸線の交流電化が決まった昭和30年代初頭の頃は、北陸線だけを考えておけばよかったのですが、50年を経た今日では環境が大きく変わってしまったのです。 そのころ想定したダイヤよりはるかに緻密になり、高価な交直両用車両を多数製作しなければならず、変電所が少なくても総費用はむしろ高くつくようになったのです。 いっそのこと糸魚川まで北陸線全線を直流にしてしまいたいぐらいなのです。 このあたりで使われているローカル車両は、国鉄時代の寝台特急や急行型を改造したものばかりで、取替の時期にきています。 また、山陰方面からの続きで小浜線が直流電化されたこともあり、交直両用車両の新製は最小限に抑えたい思いもあったのです。 直流車両も誘導電動機を使うようになった今、直流電化でも車両の電力損失はきわめて少なくなったこともあります。 地元が資金を出してまで強い要望をしたことは、JRにとっても渡りに舟だったのです。

jumpup
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近年、インバーターや整流等電気関連技術の発達が著しく、在来線での交流電化のメリットが薄れてきたのかもしれません。 つくばエクスプレスのような特殊な例を除いて、今後在来線の交流電化はもうないでしょうね。

回答No.6

直流電化に変えたのは、JR西日本ではありません。工事の金を出したのは、滋賀県と福井県を筆頭とする地元自治体です。JRは、車両費の一部を負担しただけです。 車両は、交直両用車両よりも直流車のほうが安く、直流電化技術の進歩により最高速度200km/h程度までは、交流電化のメリットはなくなったといわれます。交流電化にメリットがあるなら、直流車両は自社車両しかない北越急行は、交流電化をしたでしょう。 なぜ、自治体が金を出したかは、すでに出ている通り。JR西日本は地元が金さえ出せばなんでもありな会社・・小浜線や加古川線の電化を見れば、一目瞭然・・ですから。 したがって「なぜJR西日本は直流電化にしたのか?」の回答は、金をもらったから・・ですね。

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”自分は金を出さず、他人が金を出すのを待つ” いかにも関西人らしいですなぁ。

回答No.5

 JR西日本は北陸新幹線が開通したら敦賀以遠を第三セクターに分離しようとしているのではないかと思います。

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質問者

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北陸新幹線が開通すれば、並行在来線はJRの経営から切り離されます。 沿線自治体は、財政負担できるんですかねぇ。 先に新幹線が開通し第3セクター化した在来線は、運賃が値上がりしたり今まで直通で行けたのに乗り換えを強いられる等不便になりました。 そうなってでも、そんなに新幹線が欲しいんですかねぇ。 ”光”の一方では”影”があるのに。

  • hiroki0527
  • ベストアンサー率22% (1101/4910)
回答No.4

東海道の新快速を敦賀まで引っ張る為。 交直流電車を新規作成するのは高い。整備の手間がかかる等。 新快速は速達性で関西私鉄を脅かすほどのJR西日本のスーパースター であり、JR西日本にとっても稼ぎ頭。 それを大阪から直通させると利用者が増加する事実があって滋賀県や沿線市町村から直通要請が来ており、費用を沿線自治体も負担して直流化した。

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noname#81629
noname#81629
回答No.3

こちらをどうぞ。 直流電化 - wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B4%E6%B5%81%E9%9B%BB%E5%8C%96 車両の製造コストが安い、列車本数を増やすため、および他線区からの直通を目的として、ということらしいですね。

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近年、インバーターや整流等電気関連技術の発達が著しく、在来線での交流電化のメリットが薄れてきたのかもしれません。 つくばエクスプレスのような特殊な例を除いて、今後在来線の交流電化はもうないでしょうね。

  • nrb
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回答No.2

 米原~長浜間と湖西線:永原~近江塩津間を直流電化したのは大阪から直通快速を乗り入れるためです   直通快速乗り入れいにより大幅に時間が短縮され、その結果は特に長浜他を訪れる観光客の増加してます  まあ、観光客UPの為に元々、滋賀県及び地元自体から要望が出されいてその効果は抜群で、 観光客が数倍になった地域もあるくらいです  もちろん、費用の一部は滋賀県などから補助がでていますのでそれもあるかと思います    

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近年、インバーターや整流等電気関連技術の発達が著しく、在来線での交流電化のメリットが薄れてきたのかもしれません。 つくばエクスプレスのような特殊な例を除いて、今後在来線の交流電化はもうないでしょうね。

noname#62235
noname#62235
回答No.1

東海道線の新快速を直通運転させるためじゃありませんでしたっけ? 東海道線全部交流電化するより、コスト安くつくでしょうから・・・。

jumpup
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近年、インバーターや整流等電気関連技術の発達が著しく、在来線での交流電化のメリットが薄れてきたのかもしれません。 つくばエクスプレスのような特殊な例を除いて、今後在来線の交流電化はもうないでしょうね。

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