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世界の貧困について
初めまして。ふと気になったので質問させて下さい。 ユニセフとかって年間数千万もの寄付金を集めてますよね?活動費等を差し引いても貧しい国の通貨に換算したら相当な金額を毎年寄付できると思うのですが、あまり貧困問題が解決されていないように感じます。 まだまだ寄付金が足りないのでしょうか?
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貧困削減に必要とされる金額は生易しい桁数ではありません。 先進国からのODAは年間10兆円にまで達していますが、 それでも資金不足は極めて深刻な状況です。 国際的な目標では、必要になる金額は年間25兆円程にまでなります。 (ちなみに世界の軍事費は年間130兆円) ただ、このような莫大な額であっても、 先進国の人々が力を合わせて拠出できたとすれば、 100円に0.7円分という範囲には収まります。 EUは率先して規模拡大の公約を打ち出しています。 しかし国民の理解を得るとなると、本当に難しい話です。 貧困の解決を蝕んできた原因はいくらでもあります。 凄まじいレベルの腐敗の蔓延、 絶えない紛争・政変による大きい損害。 最近まで続いていた農産物・天然資源の価格下落、 モノカルチャー経済の破綻による大量の失業人口の発生。 政府の機能不全、産業育成政策の失敗、 不安定な金融、非効率的な投資、情報の不完全性。 人材育成の成果が出るタイムラグの長さ、 教育環境の悪さ、児童労働の横行による教育不全、 高度な教育を受けた人材も先進国に頭脳流出すること。 女性の社会進出の困難、人口問題、 環境問題、疫病の蔓延・・・etc。 先進国の「貧しい生活」のイメージとはレベルが全然違います。 そして、貧困が解決されない事が、 人々の生活を大いに苦しめ、 これらの問題を引き起こすことで、 貧困が解決されない悪循環が起こります。 援助だって下手なプランで動かせば、 実質為替レートを動かして援助先の経済を脅かすだけになる危険性もあります。 その国で作っている物を下手にあげても、 逆にその国の産業に打撃を与えてしまいます。 食糧援助だって、干ばつなど必要になる時は本当に必要になりますが、 平時には、先進国の高価な農産物を送るよりも、 途上国自体の農業投資を促して産出高を上げなければ問題は終わりません。 先進国も自国の事じゃなくて途上国の事情を よく考えて援助しなければ、効果を引き下げてしまいます。
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- mrsara
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アフリカの貧しい人に渡される小麦も、日本が買い付ける小麦も同じ国際穀物市場で売買されています。 貧しい国の通貨では相当な金額ですが、国際的にはたいした金額にはなりません。 人一人を生かすのに、日本人でもソマリア人でも必要な食料はあまり変わりません。必要な食費も贅沢さを抜けばたいした差は無いのです。 よく100円で予防接種が5人分などというキャンペーンがありますが、それはその国の経済が潤うことには全く成っていません。 貧困を解決するには、その国の経済が順調に発展するしかありませんが、そのための教育、インフラ、資源の確保のなどに必要な金額にはならないでしょうし、発展と人口増加が同時に進みますから、食料や物資の不足が常に続き、失業率の増加も同時進行すると考えていいでしょう。 寄付だけでは貧困はなくなりません。 ちなみに国際収支が黒字の国は、そのような貧困の国を含めた外国から利益を国内に持ち込んでいるということを忘れないでください。
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お礼
お金をかければ貧困はなくなるとばかり思っていましたが、もっと複雑な問題がたくさんあるんですね… 時間のある時にでも色々調べてみようかと思います。ありがとうございます。