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熱力学における微小量に関する質問
こんにちは。 私は現在熱力学を学んでいる高校生です。 早速質問ですが、たとえば、ピストンの付属された、シリンダーを考えます(ピストンとシリンダーとの間の摩擦は無視)。 気体の圧力をp,ピストンの表面積をAとすると、ピストンを外から押している力Fは F=pA で表せ、このときにシリンダーが外力に押され微少量dlだけ移動したときの仕事は、 (d'w)=F(dl)=pA(dl) と表せます。 私が納得しづらいのはこの次の説明で、 「ところでA(dl)は気体の体積Vの減少-dVに他ならない」 この一文です。 確かに力Fに押されて体積はdvだけ変化してのはわかります。 けれども、dVにマイナスがつく意味が分からないのです。 つまり、「気体の体積の減少dVに他ならない」と、dV自体にマイナスの要素を含ませてしまわない理由が分かりません。 一応数学、物理は好きなので大学一年程度の教科書はある程度読み、d'wやdlなどの記号の意味するところは分かっているつもりだったのですが、これらの微小量は負の値を取ることはないのでしょうか? 私としては、微小量は「微少量を考える対象を、限りなく小さく分割した極限における"長さ"」のようなものと捉え、よって正の値しかとらない、と解釈したのですが、これでよろしいのでしょうか? 少し混乱しているため、質問が私の意図している通りに皆様に伝わらないかもしれません。申し訳ないです。
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KTKT-OYAJIさん はじめましてこんにちは。 質問の回答ですが、少し一般的に考えてみます。 >気体の圧力をp,ピストンの表面積をAとすると、ピストンを外から押している力Fは F=pA で表せ、このときにシリンダーが外力に押され微少量dlだけ移動したときの仕事は、 という、外力に注目した設定ですから、ここでは仕事を求めやすいように外力の向き(気体を縮める方向)を正方向にして考えています。ここで微少量「dl」というのはこの正方向に気体を縮めたときには正の値になり、外力が押していても気体が膨張する場合には負の値をとります。(もちろん外力のした仕事は座標の向きにはよりません。)一方体積の変化量(変化後-変化前)dVについては dl>0 のとき dV<0 つまり -dV>0 dl<0 のとき dV>0 ですから、 >「ところでA(dl)は気体の体積Vの減少-dVに他ならない」 の文にあります「減少」という言葉はdlが正の値のときは言葉通り 「-dV(正の値)だけ減少」ということを表し、dlが負の値のときには「-dV(負の値)だけ減少」すなわち「dV(正の値)だけ増加」することになります。 微少量はいつでも正の値とは限りません。物理では変化量の極限として微少量が定義されることが多いようです。この場合は普通その微少量が正でも負でも成り立つように定式化がおこなわれます。
その他の回答 (2)
一般には、測定、評価しようとする物理量が増える向きを正に取ります。 今の場合も、気体の占める体積が、0からシリンダーの容積まで体積の増す向きを正にしているのです。 体積の変化量として、減る向きに測定、評価しても構いませんが、その時、体積が増加すれば、 増加量はマイナスになります。これは、今まで慣れ親しんできた量の測り方に合いませんよね。 従って、体積の減る向きに変化する量を測定、評価する時には、マイナスをつけるのが妥当、 という訳です。
お礼
ご回答ありがとうございます。 つまり、向きを逆に取っても、たとえば方程式をたてた場合にその解の評価の方向を考慮すれば正しい変化の向きが分かるということですね。 ちょうど高校物理の問題で加速度の向きを取り合えず仮定するときのように。 だから、計算しやすい評価方法を取る、と。 参考になりました!
- kdd-i
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「゛長さ"のようなものと捉え」 はい、その通りです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 少なくとも微小量の一側面の解釈はあっていたようですね。 参考になりました!
お礼
なるほど! 「変化量の極限値」 と考えればすんなり納得がいきますね! これで解決しました。すっきりしました。 丁寧なご回答ありがとうございました。