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補文マーカーについて
補文マーカーについて、基づく理論によってその定義が違うとのことです。 あなたはどのように補文マーカーを定義しますか?
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Complementizer の概念は Rosenbaum 1967 に始まります。 そのころの補文標識は that, for-to, POSS-ing でした。 その後、Bresnan 1970 や Emonds 1970 などにより、 S’ → COMP S という句構造規則が提唱され、wh 句も COMP に移動するとされました。 さらにその後 1980 年代に入り、S' は COMP を主要部とする最大投射 CP、S は Infl を主要部とする最大投射 IP とされました。 さらにさらに Pollock 1989 が IP を Tense と Agreement に分離したのを皮切りに、Cinque 1999 は IP を数多くの機能範疇に分離しました。この影響が CP にもおよび、Rizzi 1997 は CP を次のように分離して見せました。 ForceP TopicP FocusP TopicP FinP 最後の分離IP/CP仮説については、現在議論が進行中であり、今後どうなるかは予断を許しませんが、Cinque や Rizzi らの Cartography Approach が正しいとするならば、次のようにいえるでしょう。 CP群:談話に関わる機能範疇 IP群:命題に関わる機能範疇(モダリティを含む) 先ほどは言い忘れましたが、この伝で行けば、日本語の終助詞「よ」「ね」「な」なども立派な補文標識の一員(Force かな?)ですね。 接続助詞は Fin だろうけど、これが談話に関わるとはちょっと言い難い気もするので、Fin は C でも I でもなく、C群とI群をつなぐ働きをする、くらいにしておきましょうか。 まぁ、よく分からないところがある方が、今後の楽しみになると考えてください。