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アルミ蒸着ガラスの反射率の波長依存性
アルミ蒸着ガラス板の反射率の波長依存性を教えて下さい。 板ガラスの厚さは25 mmで素材は一般に使われているものです。 知りたいのはこの反射板の波長607 nmと660 nmの反射率の比です。 この反射板を使うと、使わない場合と比べて反射率の比が30%程度変化します。この原因がわかりません。 反射板は少し劣化していて、蒸着面がとれている箇所もあります。反射率は532 nmで10%程度です。 よろしくお願いします。
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まず、アルミ膜の反射率ですが、通常は可視光領域で90%程度はあります。 (参考URL:http://www.toyotec.com/gijutsu2/ngjhak05.htm) それが、10%程度しかないということは、「アルミ膜の劣化が激しい」ということです。 次に、光の経路ですが、通常、ガラスにアルミ膜を付けた鏡を科学的に使用する場合、直接アルミ膜の方に光を当てて反射させます。(光→アルミ膜|ガラス) この使い方をする鏡を「表面鏡(ひょうめんきょう)」と呼びます。 なぜならば、「光→ガラス→アルミ膜」の向きで光を入れると、ガラスで反射した光と、アルミ膜で反射した光とがずれてしまい、像が2重になってしまうからです。 このとき、ガラスで反射される4%程度の光を「ゴースト」と呼びます。 (参考URL:http://www.kopt.co.jp/al.htm) これは「裏面鏡(りめんきょう)」と呼ばれます。 一般家庭にある鏡は、ほとんどが裏面鏡のようで、顔を鏡に近づけてよーく見てみると、うっすらとしたゴーストの像が見えます。これは、弱いアルミ膜を表面にしてしまうと、何かがぶつかったり、ひっかいたりした拍子に、アルミ膜がはがれてしまうからです。 一般家庭用の鏡では、ゴーストの発生より、鏡の寿命を大事にしているので、裏面鏡なのですね。 ・・・話がそれましたが・・・ 科学的に使う場合、実験者は使用時や保管時に気を遣いますので、何かをぶつけたり、ひっかいたりはしないように注意します。 そこで、鏡の寿命より、ゴーストの発生を抑えるべく、表面鏡が使われるのです。 従って、本来は、ガラス素材や、厚みは関係ありません・・・のはずなのですが、sanapayatさんはどのようにお使いですか?ガラスの厚さを書かれているところを見ると、「光→ガラス→アルミ膜」ではないかと思われますが・・・ ともかく、実験でお使いなら、新しいのに変えることをお勧めします。 なお、607nmと660nmの反射率変化ですが、上記で書いた「光の経路」などを含めて詳しいことが全然わかりませんので、全くの推測で書きます。 先ほど、ガラスの反射率は4%と書きましたが、ガラスも表面の劣化状態によっては、反射率が変わります。 「干渉」という現象により、波長により反射率が変わってしまうことが考えられます。 もちろん、アルミ膜の劣化も、「すべての波長で均一に反射率が下がるような劣化をしている」とは考えにくく、波長によって反射率が変わってしまうこともあるでしょう。 先ほどの干渉を考えた場合、光の入射角度によっても反射率は変わってしまいますし。 再度書きますが、きちんとした実験をするならば、きちんとした道具を揃えましょう。 ちなみに、googleなどの検索エンジンで、「アルミ」「方面鏡」「価格」などのキーワードを入れれば、購入先が見つかると思います。 (参考URL:http://www.sakai-g.co.jp/lens/lens7.htmでは、50mm角で3000円でした) もちろん、sanapayatさんの学校なり会社なりに出入りの業者に依頼するのも手ですが。 光の取り扱いは、簡単なようで難しいです。 がんばってください。
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DASさんの言われるとおりアルミミラーの損傷が激しすぎますね。 まずはこれを交換しないことにはどうにもならないでしょう。 単純なアルミのみのミラーであれば30%の反射率差は大きすぎますね。 第一に疑うのはミラーの損傷でしょう。これはミラーを交換すれば分かります。 次にアルミミラーではよくMgF2オーバコートしているものがあります。 そのような物ではコートの仕方次第で強い波長依存性が出る可能性はあります。 こちらも素性の分かっているミラーへの交換で明らかになるでしょう。 最後に疑うのは偏光の影響です。 気体からの光であれば通常は偏光していない光と思われるので問題とは思いませんけど、偏光している光が戻る場合は偏光方向にも要注意です。 直接受光する場合は問題なくても、偏光した光を反射させる場合は偏光依存性が出ますので気をつける必要があります。 原因としては上記のどれかと思いますよ。可能性は上から順番に怪しいです。 アルミミラーは安い物だと一万円しない値段からありますよ。 では。
補足
ご回答有難うございます。 ミラーを交換したいところなのですが、反射板の直径が1mあるので、再蒸着するとかなりの費用がかかるのではないかと考えています。 アルミミラーではよくMgF2オーバコートしているものがあるとのことで、こちらで調べてみます。 偏光については直線偏光しています。偏光方向は反射板の傾斜方向とほぼ平行ですが、数度傾いている可能性があります。ただし607 nm・660 nmどちらも同じ偏光状態なので、偏光による反射率の違いはないと考えています。 どうも有難うございました。
補足
丁寧な御返答有難うございます。 僕の説明が不十分ですいませんでした。 今一度説明しますと、使用している反射鏡は厚さ15 mm(25 mmは間違いでした、すいません)の平板です。これを表面鏡(光→アルミ膜|ガラス)として使用しています。 これに波長532 nmレーザ光を約30から45度の角度で入射してレーザ光をターゲット(気体)の方向に反射させています。 さらにターゲットからの散乱光を同じ鏡で反射させ、検出器で受光し、波長607nmと660 nmの光の強度を測定しています。 ここで測定した2波長の強度比が、反射板を使用したときとしないときで30%程度異なります。 この原因を知りたいのです。 DASSさんの意見では、アルミ膜の劣化と干渉が原因と考えられるとのことですが、どちらの可能性が大きいと考えていらっしゃいますか? 時間があるときで結構ですので、ご返答よろしくお願いします。 鏡面の劣化が激しく、鏡の向こう側が透けて見えるくらいです。新しいものを購入したいのですが、予算の都合上買えそうにありません。