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光
ガラス板にMgF2の薄い膜がついている。いま、この膜に45°の入射角で白色光をあて、その反射光を分光器で調べたところ、可視光の領域で波長700nmの光だけが暗線であった。この膜の厚さはいくらか。 ※MgF2の屈折率は1.38、ガラスの屈折率は1.5である。 どの式をどういう風に使って解くのか分かりません。例題にもなかったので…。 教えて頂けると有難いです。
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ガラス板にMgF2の薄膜が形成されたものにおいて、MgF2の外側の空気層から白色平行光が例題の通り入射したものとします。 【回答のポイント】 MgF2の表面aで反射した光成分1とMgF2の表面bに入射してガラスとMgF2との界面(境目)cで反射して再びMgF2の表面aから空気層に出射される光成分2との光路長の差が700nmの光の半波長(位相が半波長ずれると光は減衰して強度ゼロとなります)であると言うことです。 これを求めるには、以下の2つのことを押えておく必要があります。 (1)屈折率n1の媒体1とn2の媒体2の界面での光の屈折角には次の関係がある。 n1/n2=(sinθ2)/(sinθ1) ここで、光の方向と媒体1と2の界面で引いた垂線とのなす角度をそれぞれθ1(入射角とする)、θ2(出射角とする)です。 (2)光路長は、屈折率*距離である。 光の位相を考慮に入れて論じる場合は光路長の概念で考える必要があります。 空気中の屈折率は真空中とほとんど同じですので、1として、以下話を進めます。 余談ですが、屈折率1.38のMgFの媒体中を移動する光の速度は、光路長が1.38*距離ですので、真空中よりも1/1.38倍だけ遅い、ということです。 以下は、文章をお読みになりながら作図して理解してみてください。 MgF2内距離b-cをL、MgF2への入射角をθ1、出射角をθ2とします。求めるMgF2の膜厚TはL*cosθ2ですので、まずはLを求めればTが求まりますよね。 光成分2がbをスタートしてaまでたどり着く時の距離b-c-aは、 2*L (cでは同じ角度で反射しますので、距離b-c=距離c-aです。) 光路長は、 2*L*1.38 となります。 次に光成分1の対応する光路長を求めます。 スタート地点は光成分2のb点と同じ位相のポイントになりますので、光成分2のb点から光成分1に落とした垂線との交点dです。そこからaまでの距離d-aです。 三角形abdは、d部が垂直の二等辺三角形ですので、 (距離d-a)=(距離a-b)*1/√2 (距離a-b)=L*(sinθ2)*2 ということから、 (距離d-a)=(1/√2)*2*L*sinθ2=√2*L*sinθ2 光路長は、屈折率が1ですので、同じです。 以上をまとめます。 光成分1の光路長=2*L*1.38 光成分2の光路長=√2*L*sinθ2 ポイントに従って式を作ります。 光の半波長=光路長差ですから 700/2=√2*L*sinθ2-2*L*1.38 式1 屈折率の関係から 1/1.38=(sinθ2)/(sin45°) 式2 式2からsinθ2およびsinθ2が求まります(θ2を求める必要はない)ので、式1に代入すればLが求められます。 膜厚TはL*cosθ2ですので、答えは、 T=147.67 nm (少数点以下3桁を四捨五入) になるはずです。 計算間違いまたは、考え違いがありましたら、ご指摘ください。