#2です。このところ三連休が続くので仕事が忙しくて、なかなかこのQ&Aコミュニティへの書き込みをする余裕が無くて返事が遅くなってすみません。
>このようなことは何か辞書で調べられたのでしょうか。
>調べ方を教えて頂けると幸いです。
今回の回答は私が直接に辞書を見て数えたわけではなくて、常々回答に対する裏付けが必要であると思っているので、研究者の文献等を読んで回答しています。
(ただし、その裏付けとなることがらをいつでも回答欄に書き込みしているわけではありません。)
私の知識は実用上必要のないと思われる細かい数値までは記憶しているわけではないので、頭の中の記憶だけでは回答できないときは手持ちの資料の中から該当しそうなものを引き出してきて調べたり、資料が手許に無い場合や急ぐ場合には、最近ではインターネットという便利な検索手段がありますので検索して求める資料を抽出しています。
検索の方法は物凄く簡単で、自分が知識として覚えていることがらからキーワードになりそうな言葉を2つほど検索ワードに選んでいるだけです。
たったこれだけの事で知りたい情報にアクセスできるようになるのですから、便利な世の中になったものです。
今回のご質問の一読漢字とは逆に、多読漢字(読み方の多い漢字)についてみてみると、常用漢字表によれば、「生、下」が音訓合計12通り、「明」が音訓合計11通り、「上」が音訓合計10通りもの読みがあります。
また、複合語を考慮した場合には、漢字の読みは変わって来ることがあります。
(例として、「建」は訓読みは「たてる、たつ」で、「建」を単独語として使用した場合は送り仮名が「建てる、建つ」と振られる結果、「建」は「た」としか読まれませんが、「建物」のように複合語として使われた場合には現在の送り仮名の通則に従うと、「建物」とし、「建て物」とはしません。その結果として「建」は「たて」とも読まれる場合があります。)
伊藤芳照・「漢字の音訓」(1989年・「講座日本語と日本語教育8」・明治書院)で紹介している
野村雅昭の資料によると、常用漢字1945字の音訓分類は「音読み」が2187種、「訓読み」が1900種で、「音読み」だけの漢字が737字、「訓読み」だけの漢字が40字、音訓両用が1168字とされています。
一方、香港中文大学日本研究学科・兒島慶治の集計(1998年)によると、常用漢字表の音訓読みは総計4087種があり、「音読み」2186種、「訓読み」1901種です。
野村雅昭の資料との違いがある漢字1字がどの漢字であるのかは私は知りませんが、兒島慶治が書いた文献により総計4087種の音訓読みを持つ常用漢字1945字を少し詳しく分類してみると次のようになります。
音読みが無い字40字
音読みが1つだけの字1644字
音読みが2つある字243字
音読みが3つある字17字
音読みが4つある字0字
音読みが5つある字1字
合計1945字
訓読みが無い字736字
訓読みが1つだけの字764字
訓読みが2つある字294字
訓読みが3つある字94字
訓読みが4つある字42字
訓読みが5つある字7字
訓読みが6つある字1字
訓読みが7つある字3字
訓読みが8つある字1字
訓読みが9つある字1字
訓読みが10ある字2字
合計1945字
常用漢字表に提示されている訓読みを送り仮名を除いた漢字だけの部分の読みの共通のものを一つにまとめて、それを修正資料として漢字一字に音訓読みが合わせていくつあるかをみてみると、
一漢字の総読み数
1つ700字
2つ905字
3つ257字
4つ69字
5つ8字
6つ3字
7つ1字
8つ2字
合計1945字
このうち、一漢字の総読み数1つ700字についてさらに内訳をみてみると、回答No.2にあるように、
音読み1つで訓読み無しが664字。
音読み無しで訓読み1つが36字。
合計700字
ということになります。
お礼
ご回答ありがとうございました。 自分の記憶の中では訓読みの漢字だったので、ご回答が一番近いかもしれません。 ただ、「国字」という表記ではなく、ご回答から例えてみれば「峠字」とか「辻字」みたいな言葉でした。 けれど、一般的に使う言葉でなく、漢字に詳しい人達での遊び言葉みたいなものだったのかもしれません。