#1さんのおっしゃられるとおり、民法や商法は慣習が元になって作られた法律です。
分かりやすく言うと、慣習を言葉にして法律にしてみたということです。
まず慣習があり、それに法を適用させる形で作られているので、頻繁に改正されています。
特に商法の改正は著しいですよね。
刑法だって広い意味で捉えれば元は慣習なのでしょうけれど、
刑法はもっと厳密である必要があります。
刑法は、人間の行為に対する規範です。
(この辺はなんとなく習ったと思います)
何をしたら法に触れ、何ならしても法に触れない…というのを
きちんと明文で規定されていないと、みんな怖くて生活出来なくなってしまいます。
だから慣習法の適用が出来ないんです。
もっと厳密に適用しないといけないからです。
今までは合法だったものが突然慣習に基づいて違法になるなんていうことは許されないですよね。
だから刑法の規定は、基本的に過去に遡及して適用されないのです。
どんなに悪い事をしても、法がそれを規定していなければ罰する事はできません。
その時点で新たな法律が出来るか、刑法が改正されるだけです。
よく大学の先生はハイジャックを例に説明される事が多いと思います。
ハイジャックだって、刑法を作った時点では誰もそんなこと想定してなかったんです。
しかしそれまでの常識を覆すような犯罪を犯す人が現れて
ハイジャックを処罰する法律が作られたんです。
しかし、その法律をつくる原因を作った犯人は、
この新しく出来た法律で処罰する事は出来ないんです。
この法律で処罰できるのは、この法律が作られて施行された後に犯罪を犯した人だけです。
この犯人は、他の、今ある法律に基づいて処罰するしか方法はありません。
現行法で処罰できるものがなければ、無罪になってしまいます。
でも、社会的にみて悪い事をしたという理由だけで犯罪者にされてしまっては
国家権力が乱用されてるだけであって、私たちは安心して暮らせなくなってしまいますよね。
そのために罪刑法定主義が採用されているわけです。